夏場の長期ロードを終え、4週間ぶりに本拠地の甲子園に帰還する。29日から相まみえるのは宿敵の2位・巨人。ホームで迎え撃つ最後の直接対決を制すれば、優勝マジックを一気に減らすチャンスだ。藤川監督は「甲子園に戻れるというのは選手たちにとっても自分たちにとってもうれしいこと」と話しており、虎ナインも気合がみなぎる3連戦になることは間違いない。

先陣を切るのは、技巧派左腕の大竹だ。屋外球場にめっぽう強く、今季も甲子園では5登板で4勝無敗。防御率1.10と頼もしい数字が並ぶ。「本当に先発陣はみんな頑張っている。後輩や先輩に負けないように、自分も必死」。伝統の一戦でも白星をマークしているだけに、流れを引き寄せる快投が期待される。

2戦目の先発が見込まれる髙橋もここまで5試合に投げ、2勝0敗、防御率1.47。登板するたびに内容も充実しており、満を持して今シーズンの伝統の一戦の初マウンドに臨む。かつてはGキラーの異名を取った左腕だけに、その初陣に大注目だ。3戦目は最多勝と防御率でタイトル争いをけん引する才木が先発予定。巨人戦は目下7連勝中で、今季も4勝を重ねる。対戦防御率は驚異の0.38と圧倒的な成績を残しており、大事なカードにうってつけの存在だ。

対する巨人の初戦は先発陣の柱を担う山﨑が務める。前回15日の東京ドームでの一戦は4回に4得点を奪って攻略したが、約2週間ぶりの登板は死にものぐるいで抑えにかかってくるはずだ。それだけに、好調な打線が持ち味のつなぎの攻撃を発揮できるかがポイント。なかでも、キーマンは大山だ。対巨人戦は21試合で打率3割8分8厘、3本塁打、15打点の好相性。山﨑からも15日に一発を放っている。出鼻をくじけば、2戦目の井上、3戦目の横川の撃破に弾みがつく。

チームは70勝に両リーグ一番乗りし、すでに8月の月間勝ち越しも決めている。「タイガースらしい粘り強い野球が出ていると思います」と藤川監督。最後までチーム一丸となって、頂点を目指す。

報知新聞社／小松 真也