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岩貞、痛恨の四球

リーグを代表する注目の若手サウスポー対決は、一つの四球が勝敗を分けた。

横浜DeNA先発ルーキー今永に対する阪神は大和・俊介・福留・ゴメス・新井良・陽川・鳥谷・原口と右偏重の思い切ったオーダーで臨む。DeNAも阪神先発・岩貞用に桑原・宮崎で1・2番を組むなど互いに苦手左腕攻略へ意欲を燃やす。

今永が1・2回を3人ずつで片づけたのに対して、岩貞は2回裏 先頭4番 筒香に内角速球を右中間へラインドライブで運ばれる 11号ソロ本塁打を浴びて先制を許す。尚も2安打などで二死満塁となり、1番 桑原に詰まりながらも左前2点適時安打を許して、DeNAに3点を奪われた。二死から与えた投手・今永への四球が大誤算だった岩貞は、この回だけで40球以上を費やしている。

阪神は5回表 チーム初ヒットとなる陽川の左前安打と四球で二死1・2塁の好機を作ると金本監督は、岩貞に代打・狩野を起用。狩野は期待に応えて、高め直球をレフト前に運ぶ適時安打で阪神が1点を返した。

「9番打者をしっかりと抑えておかないといけなかった。3回、4回はある程度コントロール出来たけど、2回は投げ急いだせいでボールがバラついてしまった。良い投手との投げ合いで3失点は大きかったし、2回は最少失点で粘らないといけなかった」。今季最短4回(77球)5安打3三振2四球3失点で降板した岩貞祐太投手の口からは反省の言葉が並ぶ。

6回表 俊介・四球とゴメスの右前安打で一死1・3塁のビッグチャンスを得た阪神だが、5番 新井良の投手返しの打球は二塁手前で失速して二ゴロ併殺打で潰える。DeNA側の見立てでは「あまり良くなかった」という今永は、100球を超えたこの回限りで降板。DeNAは7回から継投に入った。(今永は7回104球  3安打4三振3四球1失点)

7回は須田に抑えられた阪神は8回表 DeNA3人目・三上を攻め、代打・板山の中前安打と四球で二死1・2塁とするが、4番ゴメスの変化球を捉えた当たりはセンターフェンスぎりぎりで梶谷が好捕する美技に阻止されてしまう。この日は球際のプレーに悉く泣かされた印象が強い。一言で言えば、阪神にはツキがなかった。

阪神リリーフ陣は、2イニングをピシッと抑えた榎田を始めとして7回は安藤が招いたピンチを連投の高橋が抑えてDeNAの追加点を許さない。

8回裏には、ブルペン待機していた藤川が阪神復帰後初の中継ぎ登板。リリーフで再生を図る藤川はバント処理の好フィールディングも見せたが、二死1・2塁から代打・下園に右前安打を浴びる。しかし、ここは途中からライトを守る板山の好返球に救われた。走者・乙坂を本塁寸前で刺した捕手・原口もコリジョンルールを十分に意識した良い守備で失点を阻止した。

9回表にDeNAは守護神・山崎康が登板。二死後、7番 鳥谷は一塁線を破る右二塁打を放ち、通算300二塁打を達成するが、最後は原口が空振り三振に倒れて、3対1で阪神がDeNAに敗れた。この日も5安打1得点と打線が奮わなかった阪神。良い当たりが野手の正面を突いたり、美技に阻まれる不運もあって流れに乗る事が出来なかった。  

見事 守り勝ったDeNAにも反省点はある。打線は阪神の倍となる10安打を放ったが、この試合でも送りバント失敗が目立った。阪神にも言える事だが、こうしたミスは時に大きく試合の流れを変えてしまう。

「(2回裏 今永への)あの四球がな〜」。試合後、金本知憲監督も大きなポイントとなった投手への四球を嘆いた。加えて、「新井(6回表の投手返し)とゴメス(8回表のセンター大飛球)。どちらかが抜けていれば」違った展開になったと振り返る。23打席ぶりのヒットを放った鳥谷については、「一本だけじゃ彼も吹っ切れないだろうけど、きっかけにはして欲しいね」と話していた。