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『ゴロの藤浪』1安打完封 !

藤浪が、非常に安定した投球内容で7試合ぶりの勝利を今季初完封で飾った。

東北楽天先発・美馬に対する阪神は、腰を痛めた上本に代わって緊急昇格の西岡が2番指名打者でスタメンに名を連ねる。初回 鳥谷の右中間二塁打と西岡・二ゴロ(進塁打)で一死3塁として3番 福留・一ゴロの間に効率良く先取点をあげた。

2回は二死から走者を溜めて満塁とするも鳥谷が凡退する。続く3回表 先頭・西岡の一軍復帰後初安打と福留の右前安打で無死1・3塁として4番 ゴメスはシュートに詰まりボテボテの三ゴロに倒れるが、走者・西岡が生還して2点目が入った。

阪神先発は4月12日以来、最近6試合勝ち星から遠ざかる藤浪。楽天は不振のウィーラーを外して4番に枡田をDHで起用する。藤浪は序盤から 決めに行く球を除いて あまり力まずに投げてMAX150km/h超えの直球を軸に好投を演じる。

楽天・美馬もそれほど悪い状態には見えなかったが、5回表には先頭・鳥谷を打ち取った筈のレフトフライが右からの強風に乗ってフェンスオーバー!5号ソロ本塁打となる不運な一撃を浴びて3点目を献上した。

「打ったのはカットボール。イニングの先頭打者だったので、まずは出塁するという意識で打席に入った。スタンドに入るかどうか?という当たりだったけど、本塁打になってくれて良かった」。鳥谷 敬内野手が、ここ4発連続で逆方向となった一撃を振り返っている。
 
美馬は6回表 5番 狩野・6番 原口に連打を許したところで左腕・西宮と交代する。阪神は無死1・2塁だったが、高山がバントはせずに内野フライ、大和も二ゴロ併殺打に倒れて追加点機を逃す。(美馬は5回0/3・86球 7安打4三振2四球3失点)

その裏  藤浪は先頭打者に四球を与え嫌な走者を出したが、落ち着いて後続を抑える。低めへの制球が良いのか?藤浪にしては珍しく内野ゴロが多く、8回まで楽天打線は2回裏 枡田が記録した1安打だけと沈黙した。

追加点が欲しい阪神だが、8回表ニ死2・3塁で福山から放った8番 大和の右中間大飛球もセンター・オコエの超美技に阻まれる。それでも、藤浪のペースが乱れる事なく9回裏もオコエからの攻撃を3人で片付け、100球ちょうどで1安打完封勝利を飾った。

ヒーローインタビューで藤浪晋太郎投手が胸を張る。「力を抜いて、無理に力で押さず、三振を狙わずにしっかり打ち取って投げて行こうと思ったのが良かったのかな?と思う」。四球は2つ、三振は4と少なくゴロアウトが22(併殺含む)もあった。「(バックは)エラーもなかったし・・・途中で北條が出て来たんでちょっと怪しいな!と思ったんですけど、何とか守ってくれて良かったなと思う(笑)」。今季初めての完封は、昨季9月28日 甲子園の巨人戦以来、自身5度目。「プロ入ってワーストタイですか?勝てなかった6試合、凄い情けなかったし、ファンの方に申し訳ないな!と思いながらずっとやってたんで、何とか今日良い投球を見せられて良かった」と感謝の言葉を述べた。

楽天・梨田昌孝監督は、「ストライクを先行されて、つかみどころがなかった。追い込まれるとフォークもあるし、今日は初球からどんどん打って行け!と言っていたけど、あっさりゴロで終わってしまったネ」と藤浪に脱帽する。

「今日はブルペンが休めたのが一番良かった。(藤浪は)コントロールが安定してたのが一番。藤浪・メッセ・能見をベースに勝っていかないと・・・チームにとって、藤浪で勝てたのが大きい」。金本知憲監督は嬉しそうに話した。「(西岡は)練習から体が切れていた。打ちそうな気がした。(鳥谷の本塁打は)風だけどね。まだまだ、それより、最初のヒット(二塁打)が良かった。(鳥谷については)何より守りが安定して来たのが大きい。開幕当初は送球ミスが多かった。ホッとしている。ショートですからネ」。

左太もも裏の故障から久々に一軍復帰を果たした西岡 剛内野手は、「(初回の進塁打は)監督が求める2番じゃないかも知れないが、コウスケ(福留)さんに任せた方が点を取れる。(緊急昇格については)驚いた部分はあったけど、必要とされる内が花。生き甲斐に感じてる。また、競争です!」と話して、これからの戦いに目を向けていた。