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堅守好守で連敗脱出!
好守に支えられたメッセンジャーを始め3投手のリレーが決まった阪神が、連敗の長いトンネルを脱出した。
5連敗でヤクルトと並び交流戦最下位の阪神は、西岡・福留を休ませる若手中心のオーダー。日本ハム先発の左腕・吉川に対し2番 大和・3番 高山、5番は原口(DH)で以下 新井良・陽川・俊介・岡崎と並べた。
阪神先発・メッセンジャーに対して、日本ハム打線は初回からよく粘って24球を投げさせる。2回裏は田中賢・レアードの連打で無死1・2塁とされたメッセンジャー。ここは、小フライとなった7番 谷口のバントを捕手・岡崎がワンバウンドで処理して併殺(2-5-4)に取る好判断に救われる。「準備はしていた!」。プロ12年のキャリアがもたらした岡﨑太一捕手の頭脳プレーが、流れを阪神へと引き寄せる事となる。
3回表 阪神は9番 岡崎のチーム初安打と鳥谷・四球で一死1・2塁として2番 大和が内角球を鮮やかに打ち返すレフト線への2点適時二塁打で先制する。「打ったのはストレート。いいカタチで前で捌けたので、強い打球が打てた」。7試合振りスタメンで結果を出した大和(前田大和)外野手が振り返った。
リードをもらったメッセンジャーは角度のある強いボールでアウトを重ねて行く。序盤やや制球が定まらなかった吉川も4回表には3者三振に仕留めるなど本来の投球で応戦する。
6回表 阪神はゴメス・原口の長短打で一死2・3塁のチャンスを作る。新井良が低めスライダーに空振り三振に倒れると阪神ベンチは代打・狩野を送る。日本ハムは敬遠策で二死満塁。8番 俊介はフルカウントから四球を選んで押し出しで3点目が入った。
その裏 先頭1番 西川に右前安打を許し、中島卓に粘られて苦しい投球のメッセンジャーをバックが救う。エンドランがかかった中島のセンターへ抜けそうな二遊間の打球をセカンド大和が上手いフィールディングで二ゴロに抑えると、この回から守備固めで入ったサード今成は俊足・陽が放った三塁線の際どい打球を一塁へ巧みなバウンド送球で刺してみせた。メッセンジャーも好守に応えて4番 中田をカーブで空振り三振に仕留めて、ピンチを切り抜ける。
ファイターズ打線の粘りに苦しめられて今季最多の球数を要したメッセンジャーだが、ポイントで味方の好守に助けられるカタチで7回(132球)4安打8三振2四球の無失点で役目を終えている。
8回裏はサウスポー高橋で3者凡退。最後はドリスが登板して、3人で片付け3対0で阪神が逃げ切った。阪神は3投手の完封リレーで連敗を5で止めている。(メッセンジャーは6勝目。ドリスは来日初セーブ)
ヒーローインタビューは、先制打を放った大和(前田大和)外野手。「やっとスタメンで出られたので何とか結果を出そうと思って打席に入った。(6回の美技は、守備位置も)二塁寄りに守っていたので、何とかアウトに出来て良かった。若い選手が目立つ中、中堅はなかなか目立ち難いところだが、しっかりと中堅も頑張っている姿を見せる事が出来て良かったかな!と思う」。決して派手ではないが、要所要所で発揮した燻し銀のプレー同様、少し控えめなコメントが、いかにも職人らしい。
「連敗は年に何度かするもの。正直焦りもあったけど・・」。金本知憲監督は、安堵の表情で話し始めた。「(2回裏 岡崎の好判断による)あの併殺が大きかった。(加えて3回表 先制のキッカケとなる右前安打について)アレが太一のヒットなんだ!」と扇の要を務めた岡崎の働きを讃える。「(メッセンジャーには)もう1イニング行って欲しかったけど、1イニング分 球数が多かった」とはいえ、しっかり無失点で投げ切った右腕や大和の活躍にも目を細めた。
ようやく連敗脱出の阪神だが、翌日には難敵・大谷が立ちはだかる。キャンプから速い球を打つ事をテーマに取り組んで来た打線ではあるが、「あの速さは別格。(各打者がどんな工夫を凝らし)アタマを使って、どう立ち向かって行くのか?をオレは楽しみにしている」と話した指揮官。これまでの成果が試される一戦となるだけに興味は尽きない。