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イライラ募る4連敗
記録に現れないミスから失点を重ねた阪神が、首位広島の必勝リレーの前にヒザを折った。
オールスター明けの巨人戦に3連敗。西岡離脱ショックが重なる阪神は、今季絶好調の広島先発・野村に対して高山・荒木のニュー1・2番コンビで窮状打開を図る。初回は高山のヒットから二死3塁とするが、4番 福留はチェンジアップを打って一ゴロに倒れる。
阪神先発・藤浪は初回素晴らしい内容の3者凡退で立ち上がるが、2回裏 ルナの盗塁もあった一死2塁から6番 鈴木に中前適時安打を浴びて先取点を失う。更に鈴木の盗塁に捕手・梅野の2塁悪送球が重なり、走者が3塁へ進んだ直後 7番 阿部にも右前適時安打を許して2点目を奪われる。3回裏にもルナのライト線三塁打と5番 松山の左前適時安打で追加点を許した。
阪神は4回表 福留の左中間二塁打で作った二死3塁の好機に6番に下がった鳥谷が右へ意地の適時二塁打を放って1点を返す。(鳥谷は7月5日以来の打点)
それでも、藤浪がピリッとしない。5回裏には球が上ずり始め、2安打1四球の二死満塁から8番 石原に痛恨の押し出し四球を与えて広島に4点目を献上。マウンド上で悔しさを露わにする。投球数120球を超えた6回にも田中の左越え二塁打から一死1・3塁のピンチだったが、ここはルナ・松山の4・5番を何とか打ち取ってみせた。
藤浪は6回まで126球を投げて 9安打 8三振 5四球4失点。降板してベンチに戻っても険しい表情のままグラウンドを睨みつける姿に現状の厳しさが滲み出ていた。
先発・野村は6回(88球)を6安打3三振 無四球 1失点に抑え広島が継投に入った7回表 。阪神はヘーゲンズから代打・緒方のヒットなどで二死1・3塁として1番 高山が難しい内角球を逆方向へ返す技ありの左前適時安打を放って2点差とするが、荒木の代打・原口は遊ゴロに倒れる。
阪神も7回から安藤〜マテオと繋いで必死の防戦に務めるが、広島は8回表にジャクソンが福留・ゴメスを連続三振に斬って阪神の勢いを削ぐ。9回表 阪神は先頭6番 鳥谷が守護神・中崎の左足を襲う投手内野安打で出塁するも、その後は代打・上本に途中出場の大和、代打・狩野が3者連続三振に倒れ万事休す。4対2で首位 広島に押し切られ、オールスター明け4連敗。対広島8連敗となった。
この試合では2回裏と5回裏に守備のミスがあった。2回は広島・鈴木が盗塁を決めた時に梅野の送球をショート鳥谷が取れず、センター方向へ抜けて走者が3塁へ進んだ(記録は梅野の悪送球)。5回には、ルナが盗塁を試みた際 梅野の送球を鳥谷がグラブに当てて逸らしている。
「2つ共アウトや。ノーバンをスルーするなんて・・・」。試合後、金本知憲監督は憤懣やる方ない様子だった。打撃面では適時打を放つなど好結果を出したキャプテンだが、「(復調の)兆しは何回もあるんだ。若い選手が多いんだから、ベテランがしっかりしないといけない」などと語り、指揮官の怒りは収まらない。
針のムシロに置かれるベテランだが、結果がそうなっている以上 批判は甘んじて受けるしかない。それでも、この夜は反撃の適時打も放っている。悔しい思いは人一倍だろう。
鳥谷に限らず、選手一人一人の表情からは、何とかしたい思いが痛いほど伝わって来た。とは言え、もがけばもがく程 深みに嵌ってしまうのもまた事実だ。チームと個人の歯車が上手く噛み合わないモヤモヤがすぐには晴れそうもないが、どんなトンネルも必ずいつかは抜ける。今こそ選手の力を信じて、猛虎復活の時を辛抱強く待ちたい。