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ミスの連鎖で自滅
勝負どころで致命的なミスが重なり、阪神が勝ちゲームを落とした。
広島先発・九里に対する阪神は江越を4月9日以来の2番で起用。この日再昇格・今成を7番サードに入れて臨むが、序盤は今成のヒットと四球1だけで無得点に抑えられる。
阪神先発は中5日で藤浪。初回は二死から丸のバントヒット&捕逸で走者を得点圏に背負うが4番ルナを抑える。2回裏先頭5番 松山にフルカウントから変化球を打たれ右越えに7号先制ソロ本塁打を浴びた。
4回表 阪神は鳥谷・福留が連続四球を選び、5番 原口の左前適時安打で同点に追いつく。尚も無死1・2塁だったが、ゴメスがフルカウントからフォークに空振り三振。スタートしていた走者・福留が盗塁失敗となり併殺で勝ち越す事は出来ない。
原口文仁捕手が同点打を振り返る。「打ったのはシュート。チャンスだったので、早いカウントから思い切って行った。真ん中あたりのコースをしっかり叩く事が出来た」。
続く5回表には藤浪の遊撃内野安打から走者入れ替わり二死1塁となるも、3番 鳥谷がセンター左へ適時二塁打を放って走者・高山が長駆生還。阪神が2対1とリードを奪う。「打ったのはカットボール。良いカタチで打ち返す事が出来た。高山が1塁から良く本塁まで走ってくれた」と、鳥谷 敬内野手は話している。
九里はフォークボールやチェンジアップなどを駆使して気合いの投球を見せるが、阪神打線も球の見極めに注意を配り球数を投げさせる。6回表には一死後6番ゴメスが粘ってフルカウントから甘く入ったフォークを強振して、左越えの20号ソロ本塁打を放つ。
「ここまで2つの三振をしてしまって、チャンスでダブルプレーになってしまう三振もあったけれども、終わった事だったし気持ちを切り替えて、頭をリセットして打席に入ったんだ。それがいい結果につながったんじゃないかな?」。マウロ・ゴメス内野手は、一発の感触にご機嫌な様子だ。
その裏 藤浪は菊池・ルナへの四球で二死1・2塁のピンチを招き先制アーチを浴びた5番 松山を迎えるが、真っ直ぐ中心の投球で攻めてフルカウントから低め150km/hを振らせる三振で何とか逃れる。
しかし、悪夢は7回だった。広島2人目・薮田が3者三振で勢いづいて入ったその裏、カープは鈴木・安部の連打で無死1・2塁とする。ここで8番 會澤のバントを処理した藤浪がバウンドに慌てて一塁へ悪送球(高投)。1点差となり尚も無死1・3塁。一死後(走者2・3塁)1番 田中の一ゴロを今度はゴメスが芝に足をとられて本塁へ悪送球を投じ、一気に2者が返って逆転されてしまう。さらにこの後、菊池・内野安打と丸の中犠飛で5対3となった。
リードされた阪神は8回表 広島3人目・ジャクソンから鳥谷・福留の連打で無死1・2塁としたが、5番 原口は二ゴロ併殺打。ゴメスも空振り三振に倒れて得点が入らない。原口の打球は鋭い当りだったが、広島セカンド・菊池の見事な処理にしてやられた。拙守で失点を重ねた阪神とは好対照と言わざるを得ない。
最後は守護神・中崎が締めて、5対3で広島が阪神を下す。ミスで自滅した阪神は、対広島5カード連続負け越しとなった。勝ち投手は3者三振で試合の雰囲気を変えた薮田でプロ2勝目。惜しくも敗れた藤浪は7回(125球)5安打8三振3四球5失点(自責1)だった。
投球自体は悪くなかった藤浪だが、香田勲男投手コーチは「投手として総合力が大事。彼の課題だね」と短くコメント。「自分のミスからです。芝の上だし・・・あそこで焦ったのがいけなかった。自分のつまらないミスで負けてしまい、申し訳ない」と、藤浪晋太郎投手は素直に謝罪する。
一方、試合後のマウロ・ゴメス内野手は質問にも無言を通す。「(足を滑らせたけど)それだけじゃないよ。何とも言いようがない!」と、高代延博ヘッドコーチが吐き捨てる。久慈照嘉内野守備走塁コーチも「ちょっと慌てたんじゃないか?あれが(ミスの)ダメ押しになってしまった」と振り返っている。
「(7回のミスについて)コメントのしようがないよね。(藤浪のバント処理は)元々苦手ではない。投内連係とかね。キャンプからもっと意識を持ってやらないと。普段の練習でも想定してやらないとね。(ゴメスは足を滑らせたかもしれないけど)滑るのもミスだから・・・(広島を)勝たせたようなもの」。金本知憲監督は、上手くいかない現実に苛立つ気持ちを必死に抑える。
何とも後味の悪い敗戦だが、不屈のキャプテン・鳥谷 敬内野手は「明日からまた頑張るしかない!」と話して、前を向いた。