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逆転勝利で久々、甲子園に「六甲おろし」

甲子園に「六甲おろし」の大合唱が響き渡った。金本監督がずっと「勝って、気持ちよく歌わせてあげたい」と言っていた凱歌だ。本拠地での勝利は、7月31日のヤクルト戦以来だった。
 
7回までは8連敗の雰囲気が漂っていた。DeNAのルーキー・今永の前に5安打無得点。先頭打者を3度出したが、また「あと1本」が出ず。先発・岩貞が2回にロペスに許したソロホームランが重く、重くのしかかっていた。
 
しかし、その岩貞が8回まで追加点を与えない粘りの投球を見せると、流れが変わる。その裏、一死から北條、上本の連打と好走塁で二、三塁とチャンスメーク。相手投手は2番手・田中に代わっていた。
 
打席にはチームで最も得点圏打率の高い髙山。スライダー2球でカウント1-1となり、3球目のカーブを狙いすましたように中前に運んだ。DeNA・桑原がスライディングキャッチを試みるも、わずかに及ばず、北條が同点のホームにかえってきた。
 
「きょうは今永から通してスライダーとカーブが多かったので、追い込まれるまではそれを待とうと。最初は打席の前に立っていたんですけど、(2球目の)インコースのスライダーをファウルして、もうちょっと後ろに立って、引き付けてじゃないですけど、甘く入ったところをとらえたほうがいいかなと。いつもの所に戻したら、それがハマっていい形になりました」
 
この冷静な読みと対応力…ルーキーとは思えない。
 
福留が倒れて二死となるも、なおも一、二塁。一気にたたみかけたい場面で、久々にスタメンマスクをかぶり、岩貞をリードした原口が燃えた。3番手・須田のストレートをとらえて左越え二塁打。2人の走者を迎え入れ、逆転に成功した。
 
打席に入る前、投手交代があった上に、二塁走者の上本がけん制で帰塁した際、両足が釣るアクシデントがあり担架で運ばれた。かなり間が空いたが、「集中したほうが勝つと思った。切らさず集中していた」と言う原口は、「外に目付けをして、思い切り振っていきました」と会心の一打。岩貞に白星をプレゼントした。
 
3安打猛打賞の原口に、監督は「トップを作るのが早くなっていた。アレなら見極めができる。調子がかなり上向いてきたし、勝負強さも戻ってきた」と復調を喜んだ。
 
「連敗が止まったことよりも、甲子園で勝ててうれしい。最下位が目の前のチームに(お客さんが)入ってくれて、応援してくれる。ありがたいことです」
 
金本監督はファンへの感謝の言葉で会見を締めくくった。