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継投が裏目に。藤川被弾で逆転負け
代打・坂本の打球が高々と舞い上がり、レフトスタンドに着弾した。勝利まであとアウト5つの8回一死一、二塁。2番手・藤川が痛恨の逆転3ランを食らった。
「本当に申し訳ないです。勝負どころだった。いままでそういうところでやってきて、残念です。申訳ないです」
チームの、そして先発・青柳の勝ちを消した藤川は、「申し訳ない」と繰り返した。
青柳は練習の成果をいかんなく発揮し、先発野手8人のうち、5人の左打者を並べた巨人打線から凡打の山を築いていった。初回こそ3連打で一死満塁のピンチを招くも、村田を併殺に打ち取ると、2回以降はスイスイ。ヒットはおろか、いつも乱発する四球も1つだけで、自己最長となる8回のマウンドに上がった。
「抹消期間に左バッター対策をやってきた。いままでインコースに投げ切れていなかったので、しっかり投げられるように。球数も少なくて、悪いところが出なかった」
8回も先頭・辻を三邪飛に打ち取り、ワンアウト。しかし、続く代打・堂上に死球をぶつけたところからリズムが狂う。代走・鈴木尚の足も気になり、「フォームがバラバラになった」青柳は、続く代打・長野にも連続死球。ここでベンチは交代を決断した。
「2つデッドボールを与えて、明らかに動揺していたし、球威もちょうど落ち始めていた。もう少し点差があれば、続投もあったかもしれないけど。そこは僕の判断ミスです」
金本監督は試合後、交代の理由をそう説明した。得点は4回に福留の適時打で挙げた1点のみ。甲子園で巨人に勝っていないこと、連敗中であること、リードが1点しかないこと…さまざまな要因が青柳続投を阻んだ。
藤川を指名したのは経験を買ってのこと。「準備していたし、スクランブルというわけじゃなかった」と香田投手コーチ。しかし藤川は、代打・坂本にカウント2－2から甘く入ったフォークをとらえられ、逆転3ランを浴びた。
その裏はマシソン、9回は澤村に抑えられ、結局、1対3でカード3連敗。今季10度目の対戦で、ようやく巨人から甲子園初勝利を挙げられるかと思ったが、ゲーム終盤に落とし穴が待っていた。
