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難敵攻略!破竹の6連勝

難攻不落の右腕を打線一丸で攻略した阪神が、巨人の反撃を凌ぎ逃げ切った。

この試合に日本球界52年振りとなる4試合連続完封勝利の大記録が懸かる巨人先発・菅野に好調・阪神打線が速攻を仕掛ける。初回 ラッキーな左二塁打で出塁の高山を北條が手堅くバントで送った一死3塁から3番 糸井が追い込まれながらも右前適時安打を放ち1点。二死後、原口のヒットで1・3塁となり、6番 鳥谷が左前適時安打で返して阪神が計2点を先制した。

先制打の糸井嘉男外野手は、振り返る。「打ったのはスライダー。1、2番が先制のチャンスを作ってくれたので、何とか走者を返すんだと思って打ちに行った」。鳥谷 敬内野手も、「打ったのはツーシーム。良い投手なので打てる球は積極的に打ちにいこうと思っていた。まだチャンスが続いていた場面だったので、追加点を取ることが出来て良かった」と話している。

阪神先発は開幕から安定した内容を見せる秋山。初回は3者凡退で立ち上がるも2回裏一死で迎えた5番マギーに左翼ポール直撃の5号ソロ本塁打を浴びて、巨人に1点を返される。4回には阿部・マギーの長短打で一死2・3塁のピンチを招くが、落ち着いた投球で後続を抑えた。カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、ツーシームと色んな球種を駆使して丁寧なピッチングで一人一人打者を打ち取って行く。

阪神は4回表一死1塁に幸運な内野安打の北條を置いて4番 福留が菅野のツーシームを捉えライトスタンドへ4号2ランを放って4対1と突き放す。「打ったのはツーシーム。後ろに繋いで行こうと思って打席に入った。意識としてはそれだけ。1点を返されたすぐあとの攻撃だったし、結果的に本塁打になってくれて良かった」。福留孝介外野手は、淡々と語っている。

この夜 巨人のエースと互角以上に渡り合う秋山。6回裏には一死から4番 阿部に左中間二塁打を許したが、マギー・長野を抑えて脱出する。7回先頭7番 石川に初球のカーブを捉えられてレフトスタンドへ低い弾道の3号ソロ本塁打を浴びたが、このイニングまで投げ切り7回(107球)6安打 4三振 1四死球2失点で救援陣に後を託した。

阪神は8回から勝利の継投。マテオ〜ドリスでがっちり締めて4対2で巨人を破った。中盤以降立ち直って8回(115球)9安打6三振 無四球4失点で降板した巨人・菅野が今季初黒星。序盤の失点に絡んだ高山や北條の当たりは菅野にとっては非常に気の毒だった。

ヒーローインタビューは今季2勝目、巨人戦の先発勝利はルーキーイヤー以来7年振りと言う秋山拓巳投手だ。「正直、滅茶苦茶緊張したけど、対菅野さんと言うより、自分の出来る事を一人一人必死にやって行こうと思っていた。野手の方に助けてもらいながら、ボクもリズムに乗って投げる事が出来たので、これからも一生懸命頑張って行きたい」と声を弾ませた。

菅野の4試合連続完封を阻止する先制打を放った糸井嘉男外野手は、「(好投手に対して)数少ないチャンスで、追い込まれていたけど結果が出た。(これで26打点でセ単独トップだが)一個ずつ」積み上げて行く意欲を示した。

「一番は、秋山が本当に良く、菅野相手に投げ勝ってくれたな!と・・。秋山の気持ちが前面に出ていたし、野手も絶対秋山に勝たそうと言うチームの思いと言うか?そう言うモノに秋山が応えてくれたと思う。(4回裏二死2・3塁で満塁策をとった事に関して)前の打席 石川選手が良い当たりしてたので、ここは勝負を避けて、秋山のコントロールを信頼して『押し出しは無いな』と。きっちり抑えてくれて、ホント良かった」。金本知憲監督は、好投の右腕を持ち上げ、翌日の先発にプレッシャーをかける。「今日の秋山のピッチングを見て、岩貞がどう思うか?ですね」。

「今日の勝ちは秋山にも大きいと思うし、チームにとっても大きい勝利」と話す。難攻不落の菅野を攻略した打線に関しては、「やっぱり、糸井のタイムリー。そして、鳥谷。4番コウスケの本塁打。打つべき人が打って、あの3人が打点をあげた試合は絶対に負けられないと言う思いで観ていた」指揮官。

6連勝と勢いに乗るチームは20勝セ・リーグ一番乗りだが、「まだ、数字と言うか、自分達の野球をどうやって行くか?の方が先だけど、とにかく今は貯金を増やして行けるように頑張って行く」と、手応え十分の中でも一層気を引き締めていた。