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金本監督通算100勝はサヨナラ勝ち
諦めない気持ちと1球への執念。
就任以来、金本監督は精神面を口にすることが多いが、それと同じぐらいどうやって1点を取るか、状況に応じた打撃についても繰り返し指導してきた。その成果は初回の攻撃に現れた。
1死から大和が四球を選ぶと、続く高山はフルカウントから強く引っ張ったファーストゴロ。走者を得点圏に進める最低限の打撃で先制機を演出すると、4番・福留がライト前に適時打を放つ。ワンヒットで1点を挙げた。
4回に2点本塁打を浴びた先発・メッセンジャーは、毎回のように走者を背負いながらも失点はこの2点だけにとどめ6回、121球でマウンドを降りる。
メッセンジャーの粘投に応えたい打線は6回、中谷の安打を足掛かりにチャンスを作ると代打・伊藤隼が適時打を放ち同点とする。しかしその後、2死1、3塁から糸原の放った鋭い当たりはライトほぼ正面のライナー。8回無死1塁から鳥谷が捉えた打球もファーストへのライナーで併殺となり、アンラッキーが続いて3点目が奪えない。
1点が命取りとなる終盤戦は、桑原、マテオ、ドリスが計6奪三振でそれぞれ1回を無失点。リリーフ陣がきっちり仕事をこなす。
9回は、体調不良で全体練習に姿を見せず、室内練習場で別メニュー調整を行っていた上本が安打で出塁。岡崎が送りバントを決めサヨナラ勝ちへの期待が高まったが後続が倒れ、試合は延長戦へ。
10回は高橋が2死3塁のピンチで西武の好打者・秋山を三振に仕留め、無失点で凌ぐとその裏、先頭の高山が四球で出塁する。続く福留は初球に意表を突くセーフティバント。金本監督が「全くノーサイン。やるかなぁと思った。しかし上手いね。センスですね」とうなるほどの絶妙のバントを3塁方向に転がし、間一髪のタイミングで1塁はアウトになったが、高山は2塁へ。するとここまで4打数4安打だった中谷が「還す気持ちでした」と5安打目となる安打をライト前に運び、1死1、3塁。鳥谷は敬遠で歩かされ、塁が全て埋まる。「中谷が出たとこで僕で勝負だとわかってました。心の準備は出来てました。絶対打ってやろうと思って打席に入りました」という原口は2球で追い込まれたが、抜群の集中力と勝負強さを見せつけレフト前に適時打を放つ。
大歓声に包まれる中、劇的な一打でサヨナラ勝ち。金本監督の通算100勝に花を添えた。