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完封、一発で快勝!

4回終了時点で時計の針はまだ18時台。先発・メッセンジャーの安定感抜群の好投により試合は非常に早いペースで進んでいた。

メッセンジャーは初回に2つの三振を奪う立ち上がりを見せると、2回も三者凡退。先頭打者に安打を許した3回も1死から併殺打に打ち取り、結果的には3人で攻撃終了。連打を浴びた5回も「とにかく自分の投球に集中するだけ。それを続けて自分の球を信じて投げ込んだよ」と1死1、3塁の場面を三振ゲッツーで切り抜け、前半を3安打無失点とほぼ完璧にヤクルト打線を封じ込める。

しかし打線も4回までに出した走者は死球による1人だけ。まだ2塁が踏めていなかった。両先発の好投が続き、先制点が大きな意味を持つ展開で迎えた5回の攻撃、中谷が四球を選び、初めて先頭打者を出塁させる。すると続く鳥谷の打球はセカンドベース後方への飛球。これがヤクルトのセンター・山崎の手前で弾むとハーフウェイのリードを取っていた中谷は3塁を狙う。レフト・バレンティンからの送球が悪送球となり、中谷は一気に生還。果敢な走塁が先制点を呼んだ。

7回には先頭のロジャースがライト線へ2塁打を放ちチャンスメイク。追加点の欲しい場面でチームトップの11本塁打を放っている中谷が打席に立つと、1ボール1ストライクからの3球目を捉え、打球はレフトスタンドへ一直線。

「打った瞬間、行ってくれという気持ちの中、行ってくれて良かったです。ファンの方の応援は本当に気持ちいいですし、励みになりますし、応援のおかげで打てたと思います」

今季12号は貴重な追加点を奪う2点本塁打。「ナイスホームランでした」(金本監督)

「まっすぐを仕留めてくれた。良い場面で仕留めたのが大きい」(片岡打撃コーチ)

と首脳陣も絶賛する一振りでリードを3点に広げた。

援護をもらったメッセンジャーの好投はその後も続き、無失点のまま8回終了時の球数は115球。タフな助っ人にとっては余力十分な状態で9回のマウンドに上がると、ヤクルト上位打線を三人斬り。今季初完封でハーラートップに並ぶ11勝目を挙げた。

2時間20分のスピード決着となった試合をものにした金本監督は「選手達が昨日の気持ちを今日そのまま出してくれた」と前日の4時間半を超える熱戦で広島と渡り合った粘りを改めて評価していた。さらに首位・広島が敗れたことで自力優勝の可能性が復活。長期ロード中に戻った関西で反撃態勢を整える。