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糸井より上！？
鮮やかな速攻で主導権を握った阪神が、中盤以降の本塁打攻勢でリードを広げて大勝を飾った。
高山がプロ初のファーム降格となった阪神は、中日先発・中9日の鈴木に対して１番に上本を起用。３番には糸井が復帰後 初めてスタメンで出場する。初回 二死から糸井の右二塁打とロジャース・四球で１・２塁とした阪神は、５番 中谷が詰まりながらもライト前に落とす適時安打を放ち先制する。更に鳥谷が歩いた満塁で７番 大山が四球後の初球を叩いて左前に２点適時安打。鈴木の立ち上がりに３点を奪った。
先制打の中谷将大外野手が言う。「打ったのはストレート。パンダがフォアボールをとってくれたあとだったので、ストライクゾーンなら積極的に打ちにいこうと思っていた。詰まってしまったけど、初球から積極的に打ちに行けた事が良い結果につながったのかなと思う」。大山悠輔内野手も、「打ったのはスライダー。浮いてきたボールは積極的に打ちにいこうと思って打席に入った。しっかりとヒットゾーンに打ち返せてよかった」と話した。
阪神は右太ももの故障から復帰した秋山が先発。最初からリードをもらって、序盤の一巡目は３人ずつ完璧に滑り出す。マスクを被った坂本誠志郎捕手も、「楽に投げる事が出来たのでは？」と試合後 証言している。
中日は３回途中から２人目・伊藤がロングリリーフで繋いだが、阪神は５回表 ２番 北條の レフトへの３号ソロ本塁打。 １試合２発の４月９日巨人戦（甲子園）以来のアーチの感触を北條史也内野手は、「打ったのはツーシーム。インコース寄りのボールをうまく力が逃げないようにして打つことが出来た」と振り返っている。
６回表には９番 秋山が二塁打の坂本を置いて嬉しいプロ初本塁打となる１号２ランを放り込む。これぞ、愛媛・西条高時代『伊予のゴジラ』と呼ばれたスラッガーの片鱗だ。好投右腕の一発で、阪神は６対１と絶対的優位に立った。
中日３人目・笠原が登板した７回表には３番 糸井が復帰後初アーチの右越え９号ソロ本塁打。大山もレフトへ３号３ランを放つ本塁打攻勢で試合を決定づける。
秋山拓巳投手は、中日ルーキー１番 京田に一発を食らうなど後半に失点したが、大量点に護られて７回（105球）を危なげなく ５安打 ５三振 無四球 ２失点で役目を終えた。本人は次のように語る。「丁寧に立ち上がりを入ることが出来た。１巡目は完璧すぎたので、２巡目以降は走者が出て苦労することもイメージして準備をしていた。２点取られてしまったが、全体的によかったと思う。ただ、イニングの先頭打者を出塁させることもあったので、その点については反省しないといけない。（プロ初本塁打について）打席に入る前、金本監督から『走者を返して来い！』、片岡コーチから『ストレートを思い切っていけ！』と声をかけてもらった。思い切って行った結果がたまたまだけど本塁打になってくれた」。
この後は前日一軍再登録の伊藤和が、交代完了。９回裏 福田に１１号２ランを浴びるたものの、阪神が１０対４と中日に大差で勝利を収める。８年目の秋山は、プロ初の１０勝に到達した。
「（秋山は、怪我明けで）ちょっと心配はあったけど、思ったより良かった。（途中、爪から出血するアクシデントもあったが）十分期待通りに投打に活躍してくれた。（本塁打はスタンドの）上段まで飛んでいって、糸井も負けじと打ってたけど、秋山の方が上だったネ」。金本知憲監督は、活躍のナインを褒め称える。「糸井がきっかけで３点入って・・まだ本調子のスイングには見えない中で３本打ってくれた」。
また、「北條には言ったんだけど、『その粘りを４月から出してたら、違うもの出たんじゃないのか？』と。本人もやる気はあったんだろうけど、あの打席（前夜サヨナラ勝ちを呼んだ左前安打）みたいなものを出していたら、違っていただろう。どっかで油断とか隙とか、そういうのがあったことは本人も理解してるだろうし。１打席１球を大事にするということを学んだと思う。これは中谷にも言える事」と話して、漸く一皮剥けて来た若虎への手応えを明言していた。
