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二死からの猛攻
プロ初先発のルーキーを序盤で攻略し主導権を握った阪神が、後半は手堅く投手を繋いで逃げ切った。
巨人はドラフト３位ルーキー右腕・谷岡竜平投手がプロ初先発。初回は上本・福留の連打で一死１・３塁とするもロジャース・中谷が倒れてチャンスを逃した阪神だが、２回表 二死１・２塁で１番 糸井が内角変化球をライトへ運ぶ １１号３ランを放って先制する。更に四球・ヒットで走者を溜めて４番ロジャースが右へ２点適時二塁打で続き、この回一挙５点を奪った。初先発で洗礼を浴びた巨人・谷岡は、３回（66球）６安打４三振３四球 ５失点で降板している。
先制アーチの糸井嘉男外野手は話す。「打ったのはスライダー。先制のチャンスだったので、とにかく走者を返そうと思い振り抜いた」。直球を仕留めたジェイソン・ロジャース内野手も、「１打席目にチャンスで凡退してしまったので、取り返す気持ちで積極的に行った」結果に満足そう。初回の打席で考え過ぎた事を反省して、シンプルな気持ちで積極的に攻めた姿勢が功を奏したと言えそうだ。
阪神先発は、対巨人戦２季振り白星を目指すベテラン左腕・能見。序盤は走者を背負いながらも要所を締めていたが、４回裏 先頭マギーの四球と阿部・中前安打で一死１・２塁となって５番 村田にセンターへの適時二塁打を浴びて失点。長野は三振に取るも、７番 石川にもセンターへの適時二塁打を許して３点を献上する。それでも何とか５回を投げ切り、ひとまず勝利投手の権利を確保して救援陣へと繋いだ。
「早い段階で点を取ってくれたので思い切って投げることができました。ストレートをしっかり投げることで変化球を活かす事が出来たけど、４回の投球で もう少し粘りが必要だった」。５回（78球）を５安打６三振１四球３失点で終えた能見篤史投手は、反省の言葉を混じえながら、自らの投球を振り返っている。
この後、７回表 ７番 北條の左前適時安打。８回にも一死満塁から途中出場・大山の左翼フェンス直撃２点適時安打で加点した阪神が、投げては桑原〜高橋〜マテオ〜ドリスと繋いで巨人の反撃を１点にとどめて８対４と逃げ切った。能見は自身の連敗を３で止めて７月１日以来の今季４勝目をマークした。
「糸井が良いところで打ってくれた。（ビッグイニングになった２回表は）みんながそれぞれ良い仕事・役割を」しっかり果たした事が、金本知憲監督には嬉しかった。「追加点が入らず、嫌な雰囲気があったけど、北條が食らいついて、大山も・・・。ベテラン糸井の３ランと若手の駄目押しと言う良い形で点が取れた。チーム状態が良い時は二死から点が入る。アウトにならず、後ろへ後ろへ繋ぐ意識を持ってくれている」。
ともすれば、相手に流れを持って行かれかねない難しい局面で６回から１回2/3をきっちり抑えた桑原についても、「最近（大ピンチの）しんどいところで投げて貰っていた。疲れがあり、本調子でない時期もあったけど、回のアタマから行くとピシッと仕事をしてくれる」と絶賛して、絶大なる信頼を口にしていた。
