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逆転勝利で甲子園開幕ゲームを飾る
初回に積極打法の高山が今季初四球を選んで出塁すると、続く西岡もカウント3ボール。相手先発・薮田の制球難につけ込み、連続四球でいきなりチャンスを作った。しかし、糸井が捉えたはずの打球は浜風に押し戻され、ロサリオの放ったセンター後方への大飛球は相手の好守に阻まれる。
2回に2点の先制を許すと、4回に梅野のセンター左横を抜ける2塁打で1点を返すが、5回に内野ゴロで併殺が取れずに1点を奪われ、再び点差を2点に広げられてしまう。前半だけで6四球をもらいながら走塁ミスも響いて1得点。重苦しい展開となったが6回、待望の反撃に転じた。
3つの四球で満塁とすると俊介が叩きつけた打球が相手の失策を誘い、2者が生還。安打無しで試合を振り出しに戻した。尚も続く1死1、3塁から代打・伊藤隼がピッチャー強襲の適時内野安打を放ち、勝ち越しに成功。金本監督を「積極的に行くのが彼の良さですから。変化球が浮いたところをピッチャー返し、一気にびっくり返せて良かったですね」と喜ばせた。
リードを奪うと7回を桑原が三者凡退。3番・丸、4番・松山、5番・安部と左の強打者が続いた8回は左腕・高橋がやはり三人斬り。9回は同点の走者を2塁に背負いながらもドリスが無失点で締めると、甲子園には勝利を告げるジェット風船が乱れ飛んだ。
ヒーローとなった伊藤隼は「先行されてビハインドの展開をひっくり返せたのは、チームとしてもミスもあったんですけど拾えたのは大きいと思います」守備や走塁でミスは出たが代打の切り札の集中力が帳消しにした。
4万6000人を超える観衆に金本監督は「平日ながら満員入ってくれてありがたい」と感謝しきり。ファンの声援を受けて甲子園開幕ゲームを勝利で飾り、広島と並んで6勝3敗だったヤクルトも敗れたため、これで首位とのゲーム差は0.5。まだ4月で順位は重要な時期ではないが、秋には定位置となっているであろう座り心地の良い席が見えてきた。
