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秋山、序盤で崩れる

先発右腕が序盤から痛打を浴びて大量点を奪われ、阪神がDeNAに完敗を喫した。

DeNA先発左腕・東に対する阪神は、3番5番を入れ替え ナバーロ・陽川・福留でクリーンアップを形成する。初回 糸原・中飛のあと2番 北條が、薄暮の横浜スタジアム 左中間席へ今季1号ソロ本塁打を放って先取点をあげた。「打ったのはストレート。出塁することを考えて、どんどん積極的に行こうと思っていた。久々にいい感触の打球を打つ事が出来た」と、北條史也内野手は振り返る。

阪神先発・秋山は、7月好調1番 桑原にボール1からカウントを取りに行った変化球をレフトスタンドへ運ばれる初回先頭打者アーチで忽ち追いつかれた。更に一死後、宮崎・筒香の長短打で2・3塁となったが、5番 ロペスを内角攻めで空振り三振、倉本は右飛で何とか食い止めた。続く2回裏 オリックスから移籍したばかりの先頭・伊藤に死球を与えたところからピンチを招き、一死2塁から9番 柴田に左中間適時二塁打、1番 桑原にも左前適時安打。二死後、3番 宮崎に中前適時安打、筒香にも左越え適時二塁打を浴びて DeNAに一挙4点を勝ち越されてしまう。

この日は捕手の要求とは違う『逆球』が目立ち、およそ秋山らしからぬ内容だった。4回裏には、一死3塁から2番ソトの犠飛で追加点を献上。4回(65球)9安打6三振1死球6失点と不本意なままに降板している。

DeNA 東は、大量点に守られて2回以降はリズムに乗って試合を作った。投球数100を手前にした6回表途中でリリーフ陣にバトンタッチしたが、5回1/3(99球)2安打4三振3四球1失点で今季7勝目を上げている。

一度定まってしまった試合の流れは如何ともし難く、秋山を継いだ阪神救援陣もDeNAの勢いに飲み込まれる。サード陽川の悪送球もあって2人目・望月は6回裏に2失点。3人目・岩崎もDeNA伊藤に移籍後初本塁打を浴びて一方的な展開となった。阪神も8回表 6番ロサリオの右越え適時二塁打と代打・原口の右前適時安打で反撃するも、相手を脅かすまでには至らない。

初回先頭弾のDeNA 桑原は2打席目に単打、3打席目には三塁打、8回裏の第5打席でセンターへ二塁打を放ちプロ野球史上67人目のサイクル安打を達成する活躍で、DeNAが10対3と圧勝。歯車が噛み合わない阪神は、横浜スタジアムで今季初めての黒星を喫し今季ワースト5連敗。5位転落となった。

「序盤に点を取られてやられてる試合が多いな」。このところチーム全体のバランスが崩れて、打つ手も上手く嵌らない金本知憲監督だが、今が辛抱の時と心得ている。「(秋山について)コントロールの投手だからな。捕手が外に構えて、全部それが中に入って来ている。もう少し色々と感じないといけないし…。(とは言え)この辺りは経験だから」と話して、最後は悩める右腕に助け船を出した。

この日もノーヒットに終わり、調子を落としている陽川については、「我々は今 彼を見ているんだ。そこで彼が何をやってくれるのか?特にエラーをした後の打席とか。見られている(真価を問われている)状況なんだ。(今、4番の)代わりはいないでしょ」と成長を信じて待っている。この日ファームの試合で実戦復帰した糸井が本塁打を放ち、再昇格が決まったが、指揮官は慎重だ。「まだ守れるかどうか?という辺り。準備というものがあるので(実際に)見てみないと分からない」。

首位広島との差は10ゲームと開いたが、直接対決は多く残されている。窮地に立つ虎だが、まだまだギブアップする訳にはいかない。