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幾度も死地脱出！価値あるドロー
前夜から一転して息詰まる投手戦となったが、終盤もつれて延長の末 引き分けに終わった。
四国から東京へ一日で舞台を移した神宮ナイトゲーム。両チーム共に前日・松山と同じ打線を組んで臨む。東京ヤクルト 先発・ブキャナンに対する阪神は、序盤 糸井や福留がヒットで足がかりを作るが、後続が倒れて得点には至らない。
阪神先発・青柳は１・２回を無失点で滑り出すが、３回裏 一死１塁で青木の投ゴロ処理で併殺を焦って２塁へ悪送球。手痛い失策で大ピンチを招くも、３番 山田哲を三ゴロ併殺打に打ち取り脱出する。逆ダマも目立つ青柳だが、よく腕を振って低めを意識するピッチングで好調・ヤクルト打線を抑えて行く。適当な荒れる投球が、かえって相手には絞りづらい状況となっていたようである。
４回表先頭・糸原の左中間を襲う打球をレフト・バレンティンに好捕された阪神だが、糸井・右前安打の後４番 大山が変化球を左翼ポール際へ運ぶ２号２ランを放って鮮やかに先制する。「打ったのはチェンジアップ。しっかりと自分の強いスイングをすることができた結果が本塁打に繋がったと思う。青柳さんを何とか早い段階で援護したかったので、先制する事が出来て良かった」と大山悠輔内野手も満足そうだ。ゴロを打たせるブキャナンの投球が、この回は少し高めに浮いたところを見逃さない攻めとなった。
５回表には一死２塁から青柳のバントで走者・梅野が３塁で刺された場面に対する矢野監督のリクエストも判定変わらず、阪神は得点機を逃す。その裏 ヤクルトも中村・太田のヒットで二死１・２塁とするが、２番 青木が一ゴロに倒れた。この日は阪神守備陣が、良い当たりを上手く処理して青柳を盛り立てる。
「2回以降はずっと走者を背負う投球になってしまったが、梅野さんのリードと、野手の方々の守備に助けてもらい、何とか粘ってゼロで抑えることが出来た」。青柳晃洋投手は７回（111球）５安打 ５三振１四球 無失点で、あとを救援陣に託した。 ヤクルト・ブキャナンも大山の一発以外は素晴らしい内容。８回（93球）を投げて４安打 ３三振 １四球 ２失点と猛虎打線を苦しめた。
８回裏 阪神はリリーフに能見を送るが、一死から太田・青木を歩かせ１・２塁となったところでジョンソンにスイッチ。その初球カーブがすっぽ抜けて山田哲への頭部死球となってしまう。一死満塁の大ピンチとなって、直後４番 バレンティンには初球スライダーをレフト前へ運ばれる２点適時安打。ジョンソンが初めて救援に失敗して忽ち同点とされてしまった。ただ、その後は雄平・西浦から連続三振を奪って同点で踏み留まる。
追いつかれた阪神は９回表 糸原・右前安打と代走・植田の盗塁で一死２塁の好機を作るが、ヤクルト守護神・石山に対して４番大山が打ち上げて内野フライ。福留・申告敬遠の後、ナバーロも左飛に倒れ勝ち越し点を奪えない。その裏、ヤクルトは先頭・村上が遊撃内野安打で出塁する。犠打で２塁へ。更にジョンソンの暴投で三進して一死３塁とした。ここでヤクルトベンチは打者・廣岡にスクイズのサイン。廣岡はカウント２-2からスライダーを空振りして三振〜併殺となり、阪神は絶体絶命のピンチを切り抜けた。
開幕戦以来の延長戦に突入した阪神は１０回表 先頭・梅野が中前安打で出塁。ヤクルト３人目・近藤の暴投で２塁へ進むが、木浪と代打・鳥谷が倒れる。近本・四球で二死１・２塁となるも代打・北條は捕邪飛に打ち取られて絶好のチャンスを逃した。その裏 阪神４人目・桑原は、代打・上田の中前安打に青木・四球と山田哲・中前安打で無死満塁。サヨナラのピンチを招く。だが、４番バレンティンは初球に飛びつき遊ゴロ併殺。更に代わった岩崎が雄平を一ゴロに取って、再び阪神が奇跡的に窮地を脱出した。
この後 ヤクルトは梅野〜マクガフと繋ぐ。１２回表阪神は、梅野のヒットと木浪・犠打で二死２塁と勝ち越し機を迎えたが、鳥谷はマクガフの速球に空振り三振に倒れる。阪神は１１回裏を岩崎が抑えて、１２回裏を守屋に託す。守屋は廣岡を遊ゴロに抑えて、島本と交代。島本が上田・青木を打ち取って、結局延長１２回２対２の両者痛み分けで幕を下ろした。
今季初のドロー。阪神は終盤勝ちゲームを追いつかれたものの、その後は再三サヨナラの危機を乗り越えての引き分け。最後は守護神不在で乗り切ったが、金村 暁投手コーチは「（ドリスは）体調不良でいなかったからね。（回跨ぎも含めて）まぁ、やり繰り。打順とか巡りみて」投手リレーに腐心した事を認めている。
「結果的に言うと、何回もピンチを作りながらも（投手陣が踏ん張って）負けなくて良かった」。矢野燿大監督は、複雑な表情で振り返った。「（青柳は）内容的にも投げっぷりも全て含めて本当に堂々と投げてくれたし。だからこそ勝ちをつけてあげたかったな！って言う・・。ホント打線が、今日はもう１本何処かで打ってやらないと。こう言う苦しい展開になったりするところが、まだまだ解消出来ていない」。指揮官は、追いつかれた場面も含めて、投手陣に責めを負わせる気は一切ない。帰り際に先制アーチの大山が言った。「勝たなければ意味がない。明日頑張る！」と。
