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窮地救った!肝っ玉左腕
3年目右腕の力投に加えて救援陣が厳しい局面を凌いだ阪神が、DeNAとの接戦を制した。
横浜DeNA先発は、前回の阪神戦(11日・甲子園)でプロ初勝利を挙げたドラフト3位ルーキー大貫。阪神は6番ファーストでナバーロを6試合振りにスタメンで起用する。前回ツーシームを多投した大貫だが、初めてコンビを組む嶺井のリードもあって相手のイメージを逆利用。カーブで糸原から空振り三振を奪うなど初回を3者凡退で滑り出した。
阪神先発は、3年目・才木が今季初登板。いきなり先頭・神里にヒットを許すも、梅野が盗塁阻止。二死からロペスに左越え安打を浴びるも初回を無失点で切り抜けた。才木は最速150km/h超えと真っ直ぐが走り、勝負球にフォークを交えるなどしてアウトを重ねて行く。
3回表 阪神は二死後 近本・バント安打と糸原・右前安打で1・2塁として3番 糸井の中前適時安打で先取点をあげる。「打ったのはフォーク。二死から1・2番が作ってくれたチャンスだったので、先制することができて良かった」。糸井嘉男外野手が技ありの一打を振り返っている。この後、敵失で二死満塁となるが、福留は一邪飛に倒れて3回は1点止まりだった。
それでも、好投の大貫に苦しむ猛虎打線は6回表 大山・福留の連打で無死1・2塁。ナバーロの代打・鳥谷は一ゴロで一死1・3塁となる。7番 梅野は、追い込まれながらもカウント2-2からの外角変化球に食らいついて二ゴロ。3塁走者を生還させて追加点をもぎ取った。DeNA・大貫は6回(101球)まで投げて、7安打9三振1四球2失点と責任を果たしている。
その裏 才木は一死から神里に左越え二塁打を浴びてピンチとなる。2番ソトは内角速球に詰まりながらも深い守備位置で守るレフトの前に落ちる適時安打を放ってDeNAが1点を返した。続くロペスにも粘られた末に左前安打を浴びて、阪神ベンチは島本へスイッチ。苦しい場面だったが、島本は筒香を真っ直ぐで中飛、次の宮崎も二ゴロに打ち取り窮地を逃れる。
才木は5回1/3(96球)を投げて5安打5三振1四球1失点。投げっぷりも含めて申し分ない内容だった。「今季初登板という事もあって、初回から力んでしまった部分はあったが、先発として何とかゲームを作ることは出来た。6回に捕まってしまい、ピンチを作った状態でマウンドを降りてしまった事は反省しなければいけない」として、才木浩人投手は厳しい場面で救援を仰いだ島本に感謝の意を表している。
緊迫した展開を受けて終盤は、リリーフ勝負となる。DeNAは7回から国吉〜エスコバーと繋げば、阪神も能見〜ジョンソンが8回までしっかり抑える。9回表 DeNA4人目・三嶋から阪神は一死後 代打・陽川がスライダーを捉えてレフトへ今季1号ソロ本塁打を放り込む。その裏 阪神は守護神ドリスが先頭ロペスに左前安打を許すも、筒香・宮崎・佐野を抑えて見事に逃げ切った。3対1で阪神は久々の連勝。DeNAは打線が奮わず7連敗となり、勝率で阪神と並ぶ5位に転落している。
ヒーローインタビューは、呉 昇桓を抜いて球団歴代最多81セーブを達成したラファエル・ドリス投手。「最初に来日した時、そんな偉大な記録の事なんて意識すらしてなかった。とても嬉しいし、機会を与えてくれたチームに感謝したい。(シーズンの先は長いけど)数字は意識せず、自分の仕事に集中してやって行きたい。(日本語で)頑張りまーす!」。
才木は今季初登板を白星で飾った。その才木が残したピンチを救った島本の救援も価値が高い。金村 暁投手コーチも、「アイツ(島本)は根性がある。オープン戦から一番強い気持ちを出している。(才木について)素晴らしい! 丁寧さと大胆さを出していた」と評し目を細めている。
これまで内角直球から入る事が多かった筒香に対して、6回のピンチでは初球フォークから入って空振り。2球目真っ直ぐで中飛に打ち取った場面が圧巻だった。島本浩也投手が振り返る。「空振りが取れて良かったし、自信を持って投げる事が出来た」経験は、間違いなく小さなサウスポーにとって大きな成長に繋がった。
「(才木は)球に力があった。勿論細かい事を言えば(まだ色々と)課題はあるけど・・」最少失点で試合を作った右腕に矢野燿大監督は、嬉しそうだ。狭い球場で投げる際の注意や意識付けなど「梅野がよく引っ張ってくれたな!」と捕手を褒める事も当然忘れない。故障者続出で苦しい台所事情の中で、守り勝てた意義は大きいだろう。「チーム状況として苦しい中で『楽しむ』という事が選手の成長に繋がる」と信じる指揮官。ファームから這い上がり、代打アーチを放った陽川も然り。若手の台頭による勝利を噛み締める横浜の夜になった。