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無念 青柳!ミスから崩れる

燕打線のバント作戦にリズムを崩され主導権を握られた阪神は、追撃も及ばず連勝が3でストップした。

12連戦最後のカードとなる神宮球場。東京ヤクルト先発・ブキャナンに対する阪神だが、前日背中の強い張りを訴え途中交代した近本も万全の状態ではないとは言え、先発出場。『休養日』の福留に代わって、高山が6番レフトでスタメンに名を連ねる。初回は二死から糸井、2回表も一死後 高山がそれぞれレフトへ二塁打を放ってチャンスを作るが、後続が打ち取られて点が入らない。

阪神先発は、前回ナゴヤドーム(対中日・4月29日)でプロ初完封を飾った青柳。主砲バレンティンを故障で欠くヤクルト打線は、やや送球に難がある変則右腕に立ち上がりから揺さぶりをかける。狙い通り先頭・太田のセーフティバントをいきなり青柳が一塁へ悪送球。太田は一気に3塁を陥れて無死3塁として、2番に入った今季初出場・山崎の左前適時安打でヤクルトが忽ち先制する。更に青木の右前安打などで一死2・3塁となり、5番 雄平の左犠飛で追加点。青柳は初回2点を献上する。この後もヤクルト打線は、再三セーフティバントを仕掛けて阪神バッテリーにプレッシャーをかけた。

4回裏 先頭・雄平がヒットで出ると、続く6番 村上は外角低めの球を上手く捌いてレフトスタンドへ運ぶ9号2ランを放つ。青柳にとってはダメージの大きい失点となり、4対0とヤクルトにリードを広げられてしまった。反撃したい阪神は5回表 マルテの左二塁打から二死3塁の好機を掴む。ここで阪神ベンチは青柳に代打・鳥谷を起用するが、鳥谷はブキャナンの変化球に詰まって投ゴロに倒れた。

「自分のエラーをきっかけに先制されてしまい、その後も何とか粘り続けたかったが、早いイニングでマウンドを降りてしまい先発の役割を果たす事が出来なかった。連戦が続く中で、中継ぎの方々に負担をかけてしまい申し訳ない」。青柳晃洋投手は4回(73球)4安打 6三振 1四球 4失点で交代となった。ヤクルトの作戦に嵌り出鼻を挫かれ、自分のリズムで投げる事が出来ないままに終わってしまった。降板後、ダグアウトで福留のアドバイスを聴き入る姿も・・。試合後、青柳は左打者対策などを伝授されたと明かしている。

6回表 阪神は近本・糸原1・2番の連打などで一死2・3塁とお膳立て。4番 大山は捉えた打球だったが、 レフト青木の正面を突くライナーとなって犠飛にとどまる。続く梅野の打ち取られた三ゴロをサード村上が後逸して阪神に2点目が入ったところで、ブキャナンは降板。ヤクルトは左腕ハフに代え、阪神は高山に代打・中谷を送るが、中谷はフルカウントまで粘るも最後は見逃し三振に倒れた。ヤクルト先発・ブキャナンは、5回2/3(106球)5安打3三振1四球2失点(自責1)。ピンチは何度もあったものの、非常に粘り強い投球だった。

阪神のプルペン陣はよく投げた。5回裏を今季初登板の福永が抑え、6回は先頭・雄平にヒットを浴びながらも島本が後続を斬る。7回裏は、ベテラン藤川が3者連続三振を奪って味方を鼓舞した。8回は二死から能見が連続四球を与えてピンチとなるが、村上を三振に斬って追加点を許さない。救援陣の踏ん張りは賞賛に値するものだった。

ヤクルトはハフが7回表も投げて、木浪の内野安打1本に抑える好投を見せる。8回は近藤が繋いで9回表は、上半身のコンディション不良で登録抹消となった石山に代わる新クローザーに指名された3年目右腕・梅野。二死後マルテが歩いて、阪神は一発同点の場面で前日の立役者・福留が代打で登場するも見逃し三振に倒れて試合が終わった。4対2でヤクルトが逃げ切り、ブキャナンが今季初勝利。梅野にプロ初セーブがついた。

連勝がストップした矢野燿大監督は、攻略された青柳について語る。「向こうも左打者を並べて来たり、ああいう小技をやって来たりというのは、これからもやって来ると思うし、成長していくしかない。(青柳もそれは判って取り組んでいるだろうが)結果として、それを出せるようにやって行かんとダメだし。次への課題と言うか、そういうものが見えたと思う」。

敗戦の中にも収獲はあった。「何とかね、最後走者が出て、向こうに嫌なムードというのを作れた部分は中継ぎ陣みんなの頑張りが凄く大きいし、逆転する展開に持って行く為には、そういう中継ぎ陣が頑張ってくれる中で勝ち(の可能性)が広がって来ると思う。初登板の福永が、イイよ!と言う話は聞いてたんだけど、去年オレが見た状態よりも良いし、あの状態であれば使えそうだな!という目処というか、そういう姿を見せてくれたし・・」。

青柳には課題が見つかり、救援陣の信頼度は更に高まった。そう考えれば、GW最後の1敗も今後のプラスにして行けそうだ。