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嬉し長坂!プロ初アーチ

先発左腕が中盤に掴まって劣勢に立たされた阪神が、6月黒星スタート。対広島戦6連敗を喫した。

広島先発左腕・ジョンソンに対する阪神は、前夜途中交代の福留が右ふくらはぎ筋挫傷のため登録抹消。糸井も休ませて3番にマルテを上げ、5番 梅野。中谷に続き7番レフトには福留に代わって昇格した陽川を抜擢した。初回は糸原の遊ゴロがリプレー検証となるも判定変わらず二死となった後 マルテがレフト線二塁打を放ちチャンスを作るが、大山は三ゴロに打ち取られる。2回表はジョンソンに梅野・中谷・陽川が3者連続三振を喫した。 3回表 は木浪のラッキーな内野安打と岩田・犠打で一死2塁の好機を作るも、近本がセーフティバント失敗(記録は犠打)。糸原も左飛に倒れて得点が入らない。ベテランが抜けた猛虎打線は、今ひとつ狙い球が絞り切れない印象だ。

阪神先発は、火曜日の巨人戦(5月28日・甲子園)が雨天中止となった関係でこの日に回ったベテラン左腕・岩田。初回は持ち味の内野ゴロ3つで順調に滑り出す。先頭・鈴木を歩かせた2回裏も上手く後続を打ち取った。3回裏は二死から野間にチーム初ヒットとなる左前安打を浴びたが、2番 菊池涼を空振り三振に仕留めて、序盤を無失点で乗り切った。 4回裏には一死から鈴木に右前安打を運ばれるが、2回に許した盗塁を今度は梅野が阻止して事なきを得る。

先制は広島。阪神が5回表に中谷・四球の無死1塁の好機を陽川・二ゴロ併殺打で逃した直後の5回裏 先頭6番 小窪がレフトスタンドへ自身3年ぶりアーチとなる1号ソロ本塁打を放って鮮やかに先取点を奪う。更に木浪の失策や石原・犠打で一死3塁となって9番ジョンソンには追い込みながらも中前適時安打を浴び、岩田は2点目を許した。

6回表 阪神は一死から近本・内野安打と糸原・左前安打で1・2塁として3番マルテが初球の真っ直ぐを捉えて左前適時安打を放つ。速い打球だったが、走者・近本の俊足がモノを言って阪神が1点を返した。この後、大山・三ゴロで二死2・3塁と一打逆転のチャンスだったが、5番 梅野は内角スライダーに空振り三振に倒れる。

その裏 岩田は先頭3番バティスタにセンター左へ15号ソロ本塁打を打ち込まれた。更に鈴木・四球や小窪・田中広のヒットで一死満塁から8番 石原の中犠飛で失点。ここで岩田は交代。2人目・守屋はジョンソンの代打・長野を投ゴロに打ち取り、後のピンチは凌いだ。

岩田 稔投手は5回2/3(101球)を投げて7安打4三振 2四球 4失点。前半は持ち味を発揮する内容だったが、5〜6回のピンチを持ち堪えられなかった。「(ジョンソンのような)エース級と対戦すると先に失点した方が負ける」。ベテラン左腕は、反省しきりの表情だった。

7回裏 阪神3人目・谷川は先頭・野間の内野安打から犠打・暴投で一死3塁とピンチを背負う。バティスタ・空振り三振、鈴木・四球&盗塁で二死2・3塁となって、5番 西川に24試合連続安打となる左越え2点適時二塁打を浴びた。更に自らの牽制悪送球に7番 田中広の右前適時安打で追加点を許し7対1。これでほぼ決着がついたと言える

広島・ジョンソンは6回(98球)5安打6三振1四球 1失点と抜群の安定感だった。広島は7回から一岡〜レグナルト〜九里と繋ぐ。9回表 阪神は途中出場の長坂が、九里からレフトスタンドへ3年目で嬉しいプロ初本塁打を放って1点を返す。猛虎ベンチは、この展開にも関わらずサイレント・トリートメントで長坂を祝福した。

結局、後続は倒れて7対2で広島が大勝。11連勝が止まった直後にまた5連勝と手がつけられない強さである。前夜のサヨナラ劇に続き敗れた阪神では、3番マルテ活躍の裏で4番 大山が4打数ノーヒットと奮わず、敗戦の責任を背負った。

「岩田らしいピッチングをしてくれたけど、5回6回というところ。疲れが出るイニング・球数でちょっと悪いところが出てしまったな」。試合中には心ない野次に珍しく声を荒らげるシーンもあった矢野燿大監督が、試合を振り返る。6回裏は継投のタイミングが遅れたという見方も一部であったが、「球数的にも行けたし、任せていたので(特に継投の難しさなどは)感じなかった」ということだ。

打線では3番に上げたマルテが二塁打と適時打を記録したが、「感じとか、雰囲気が良くなって来てる。状態は上がって来てるんじゃないか?」と指揮官はイイ感触を持っている。福留・糸井が不在のクリーンアップは、4番 大山にはまだ荷が重くも感じられるが、逆に若き大砲には一本立ちのキッカケになるかもしれない。この試合を欠場した糸井に関しては「明日コンディションを観て」スタメン起用か否か?を判断する意向を示した矢野監督。交流戦前ラストとなる次の試合が正念場となりそうだ。