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やり返した!島本プロ初セーブ
ジョンソン抜きで逃げ切りを図った阪神が、土壇場で追いつかれながらも延長戦で辛くも勝利を得た。
千葉ロッテ先発は、今季3勝右腕の種市。阪神は前夜と同じ打線で臨む。初回 糸原・中前安打と大山・右中間二塁打で二死2・3塁として5番マルテが追い込まれながらも中前へ2点適時安打を放って、阪神が先制する。「打ったのはストレート。初回のチャンスでチームに良いリズムを作る意味でも大切な打席だった。1本打って自分の仕事をすることが出来て良かったよ」と、ジェフリー・マルテ内野手は振り返っている。
阪神先発左腕・高橋遥に対してロッテは、7番 岡・8番 三木と下位打線を変えて来た。初回は二死から連続四球の後 5番レアードに左前適時安打を打たれ、1点を返される。高橋遥は、決め球に苦しんで初回から35球を費やした。
3回表 阪神は敵失・内野安打・四球の一死満塁から5番マルテが右犠飛を打ち上げて加点する。ラインを跨ぎファールゾーンでの捕球だった。マルテが語る。「打ったのはストレート。塁が埋まっている状況だったので、前に飛ばせば何か起こるとポジティブな気持ちで打席に入ったよ。追加点が取れて良かったね」。
高橋遥は先頭・鈴木に左二塁打を打たれた3回裏は一死3塁で井上を二ゴロに打ち取るなどして何とか抑えたが、次の4回裏にも先頭・岡の左前安打から一死2塁とされて、9番 吉田に中前適時安打を浴びてまたも1番差に迫られる。
高橋遥は5回(104球)まで投げて5安打5三振3四球 2失点で交代した。「立ち上がりに四球から失点してしまい、先制してもらった直後にも関わらずリズムを悪くしてしまった。何とか粘る事は出来たが、先発としてもう少し長いイニングを投げなければいけなかったし、自分自身反省の多い投球だった」。高橋遥人投手は、反省のコメントだ。
阪神は6回から継投に入る。宜野座キャンプで右肘故障に見舞われ今季出遅れ、前日今季一軍初昇格の小野が2人目で登板して、6回裏を3者凡退に抑えた。7回裏も続投するが、二死から四球と清田の左二塁打で2・3塁のピンチを招いて4番 井上に死球を与えて両軍ナインがグラウンドでの睨み合う場面に。警告試合として再開されたが、小野は途中から自打球で負傷したレアードに代わって5番に入っていた香月を左飛に打ち取った。ほぼ真ん中の甘い直球だったが、香月の打ち損じに救われた格好だ。
ロッテ先発・種市も途中から立ち直り、7回(103)まで投げて6安打7三振2四球 3失点としっかりと試合を作った。その後は田中靖〜ブラントンと繋いで阪神の追加点を防ぐ。
8回裏 阪神はジョンソンではなく藤川をマウンドへ送る。一死から岡に左前安打を許し、二死2塁で9番 吉田を迎えるが、フォークボールを梅野が少しファンブルするのを見て走者・岡が飛び出し牽制死。ここは、相手のミスに救われた。9回裏 守護神・ドリスは二死を取るが、鈴木に粘られ四球。暴投で2塁へ進まれた後 3番 清田に右前適時安打を浴びて土壇場で追いつかれる。試合は3対3で延長戦に突入した。
10回表 ロッテは守護神・益田が登板。阪神は一死から近本・糸原が連打で1・2塁とチャンスを作る。ここで3番 糸井がカウント3-1からの直球を叩いて右前へ適時安打を放ち、4対3と勝ち越した。その裏 阪神は左腕の島本を送る。先頭・香月のセンターへ抜けそうな当たりはセカンド糸原が美技で捌く。中村奨は空振り三振。岡を右飛に打ち取り、見事にプロ初セーブ! 阪神が苦しみながらも4対3で千葉ロッテを振り切った。
ヒーローインタビューは、決勝打の糸井嘉男外野手。「いや、もう、このチャンスをモノにしようと勝ちたい一心で振り抜いた。(次は甲子園だが)一戦必勝で皆さんと一緒に戦って行きましょう!」と、力強く阪神ファンへ呼びかけている。
「(ジョンソンは)今日はちょっと休ませようと。その中で勿論ドリスでしっかり終わると言うのが一番かも知れんけど・・」。矢野燿大監督は、特に若い選手の成長を実感していた。島本の抑えぶりもだが、「(小野は今季)初登板やからね!しかも今まで先発を多くやって来た投手が中継ぎやるって、めちゃくちゃ難しいし、普段とは全然違う気持ちでマウンド上がった中で2回しっかり抑えてくれた」事を高く評価する。
「ケント(糸原)の守備もあったし、梅野もワンバンずっと止めたし、マルちゃん(マルテ)も3打点か?」。野手に関しても、指揮官にはチーム全体で戦えているという確信がある。
プロ初セーブの島本浩也投手は、同点でも10回に登板する予定だったようだが、「(抑えはヤクルト戦で一度)失敗してるのに、今日は1点差で行かして頂いて、絶対やり返したいと思った」と意気に感じての結果だった。「PJ(ジョンソン)は疲れているから休養させるつもりだった」金村 暁投手コーチも、彼等の奮闘によって継投にも「色んなバリエーション」が増えた事に笑顔を見せる。
首脳陣が腹を括った選手起用によって、また一つ得た収獲。交流戦でも、矢野阪神の戦い方は変わらない。