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鳥谷 執念の一撃も実らず
相手エースを攻略して劣勢を跳ね返し自慢の救援陣で逃げ込みを図った阪神だが、信頼するリリーバーが終盤に痛恨の逆転弾を浴びて悔しい黒星を喫した。
今季は不調。腰痛の影響もあって9月4日中日戦(前橋)以来の登板となる巨人先発・菅野に対して、13年振り無安打無得点の屈辱から一夜明けた阪神は福留・糸原がクリーンアップに復帰。高山・大山・梅野で下位打線を形成する。菅野は初回3者凡退と不安を感じさせない抜群の立ち上がりを見せた。
阪神先発は9月1日巨人戦(甲子園)の復帰登板から3戦目となる左腕・岩貞。5年振りリーグ優勝へマジック6としている巨人が、5番 阿部・6番ゲレーロなど強力打線で対抗する。初回 巨人は一死から坂本勇・四球と丸の左前安打で1・2塁とお膳立て。4番 岡本が右へ2点適時二塁打を放って鮮やかに先制した。
2回表 阪神はマルテ・高山の安打で一死1・2塁とする。大山は空振り三振に倒れるが、8番 梅野がフルカウントからの甘く入った外角変化球を叩いて右前適時安打を放ち、1点を返した。巨人も3回裏 二死から2番 坂本勇が外寄りチェンジアップを上手く拾ってレフトスタンドへ36号ソロ本塁打を打ち込み、3対1と突き放す。
4回表 阪神は先頭・マルテの中二塁打と糸原・四球でチャンスを作る。高山・大山は倒れるも梅野・申告敬遠で二死満塁となると、矢野監督は岩貞に代打・鳥谷を送って勝負をかける。鳥谷はカットボールを捉え一二塁間突破の右前2点適時安打で期待に応え、阪神が同点に追いつく。続く1番 木浪の中前適時安打で4対3と勝ち越しに成功した。
同点打の鳥谷 敬内野手が振り返る。「自分の打席に集中して、積極的に振りに行った。走者を還すことができて良かった」。木浪聖也内野手も、「打ったのはカットボール。鳥谷さんが目の前で同点にしてくれたので、それに続いて何としても逆転したいという強い気持ちで打ちました。鳥谷さんに続くことが出来て良かった」と勝ち越し打に笑顔を見せた。
巨人・菅野はこの回限りで交代となる。4回(78球) 6安打 4三振2四球4失点だった。一方、代打を出された岩貞は3回(50球)3安打 2三振 2四球 3失点に終わる。「先発投手として長いイニングを投げることができず、役目を果たす事が出来なかった。連戦が続く中、中継ぎの方々に負担をかけてしまい申し訳ない」と、岩貞祐太投手は降板後、話している。
両チーム共に中盤からリリーフ勝負となる。阪神は4回裏から守屋。5回途中から島本が登板。巨人は5回表を高木、6回は宮國が抑えた。阪神4人目・岩崎が登板した6回裏。コントロールを乱して坂本勇・四球に丸・阿部への死球(阿部は負傷交代)で一死満塁の大ピンチを招くが、6番ゲレーロは空振り三振。続く田中俊を三ゴロに打ち取り、何とか脱出する。
宮國が回を跨いだ7回表 。阪神は先頭・近本が内野安打で出塁し、二死後 暴投で2塁に進んだ後 5番 糸原の中前適時安打で生還する。糸原健斗内野手は、「打ったのはカーブ。追加点の欲しい場面だったので、ランナーを還すことだけに集中した。抜けてくれて良かった」と振り返っている。
しかし、その裏 岩崎が一死から代打・石川にフルカウントからの直球を仕留められレフトスタンド上の壁に当たる特大の4号ソロ本塁打を浴びて再び1点差に詰められた。この後 二死となり2番 坂本勇を迎えるところで阪神ベンチは5人目・ジョンソンを投入する。続く8回裏 ジョンソンは先頭・丸に四球を与える。この後 二死となるが、6番ゲレーロに151km/hを捉えられ左中間スタンド上段への逆転20号2ランを浴びてしまった。
最後は巨人・デラロサの前に上位打線が3人で抑えられて6対5で敗れた阪神。代打・鳥谷の値千金同点打で一度は流れを引き寄せながら、最後は悔しい幕切れとなってしまった。巨人はこの試合終了時点でマジックを5と減らしている。
試合後、矢野燿大監督は非常に険しい表情で報道陣の前に現れた。早い回で投手リレーに入ったが、「リードされて、こちらとしては仕掛けるしかない。その意味では、勝ちへの姿勢というのは皆んな見せていたんだけどもね。(鳥谷の同点打で)チームは本当に良いムードになった。こちらに流れも来て、その後も点差を広げたし。本当に期待通りの打撃だった」と話して、背番号1への賛辞は忘れない。
数字上でもリーグ優勝の可能性が消滅した事に関しては、「CSを目指すという事は変わりない」と話した指揮官。「今こそ戦う姿勢が問われると思う。毎試合毎試合、その試合をどう勝つか?という事を考えながら、選手と一緒にやって行きたい!」。追い詰められた状況だからこそ本当の力が分かる。猛虎は残り9試合に全てを賭ける覚悟だ。