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中谷先制打!粘りと気迫で 西10勝

FA右腕粘りの投球に応えて中盤の1チャンスを集中打でモノにした阪神が、最後まで主導権を手放さず今季最後のビジターゲームを白星で締めた。

DeNA先発は、巨人・山口と最多奪三振のタイトルを争う今季13勝のエース左腕・今永が中8日でマウンドへ上がる。左足に張りがあるマルテを鳴尾浜に残した阪神は、近本・北條の1・2番。大山を4番に戻し6番 中谷らを配するジグザグ打線で臨む。初回いきなり近本の二ゴロでリクエストに失敗して3者凡退のスタートとなった。序盤 今永は3奪三振。出塁は梅野のヒット1本に抑える滑り出しだ。

CS進出には3戦全勝しかない阪神の先発は、この試合に2ケタ勝利がかかる西が登板。公式戦ラストゲームのDeNAは、梶谷・大和の1・2番。ソト・佐野・ロペスでクリーンアップを組み、宮崎・戸柱・伊藤裕と並べる現状のベストオーダーで迎え撃つ。西は立ち上がり、梶谷の打球を右足脛付近に受け(結果は投ゴロ)その後 大和・四球と佐野・右前安打で二死1・2塁のピンチを背負うが、5番ロペスの右中間大飛球をライト・中谷の好捕に救われた。2回裏は宮崎・戸柱の連打で無死1・2塁とされるも、伊藤裕を遊ゴロ併殺打に取って難を逃れる。3回裏も先頭打者を出したが、2番 大和をシュートで詰まらせ遊ゴロ併殺に打ち取っている。

4回表 阪神は一死から福留・大山が連続四球。糸原の内野安打で満塁のチャンス。ここで6番 中谷がショートオーバーの2点適時左前安打を放ち、鮮やかに先制する。尚も1・3塁から木浪が投手前にスクイズを決め、8番 梅野も右前適時安打で続いて、阪神が一挙に4点を奪った。先制打の中谷将大外野手が振り返る。「打ったのはストレート。追い込まれていたので、必死に食らいついて行った。このヒットに満足せず、もう1本、2本と打てるように頑張る」。スクイズの木浪聖也内野手は「必死に食らいついた。2度、3度あるサインではないので、一発で決める事が出来て良かった」と語り、梅野隆太郎捕手も「打ったのはストレート。聖也(木浪)が目の前で(スクイズを)しっかり決めてくれたので、残った走者を還す事に集中した。取った後が大事なのでしっかり西さんをリードできるように頑張る」と気を引き締めている。

リードを貰った西は、走者を背負った5回裏もこの試合3つ目の併殺を取って無失点で切り抜けて、後半のリリーフ陣へと繋ぐ。5回(71球)4安打 3三振 2四死球 無失点。「総力戦という状況は頭にあったので、初回から飛ばして良い形で後ろに繋ぐ事が出来た。梅野に配球面で迷惑をかけたけど、しっかりカバーしてくれて、野手の方々も守ってくれたので、良いリズムで投げる事が出来た」と西 勇輝投手は、話している。打球を足に受けるアクシデントにも負けず、しっかり責任を果たしたと言えるだろう。

DeNA・今永は、終盤まで投げ続けた。8回表 阪神は一死から近本が今季159安打目となる左前安打。北條・四球で1・2塁として3番 福留のセカンド後方に上がったラッキーな右前適時安打で追加点を挙げて、今永をノックアウト。この後 代わった武藤を攻め、二死2・3塁から5番 糸原のライト線2点適時二塁打で7対0として試合を決めた。今永は7回1/3(129球)7安打 7三振 4四死球 7失点で今季公式戦の登板を全て終えている。

阪神は6回裏から岩崎〜ドリスと繋ぎ、DeNA打線を封じる。リードを広げた8回裏も島本を投入。最後は守屋で締めて、ジョンソン・藤川を温存する事が出来た。阪神が今季最後のビジター公式戦を7対0と快勝で飾っている。阪神は3試合連続無失点で4連勝。西は、オリックスで10勝を挙げた昨季に続く2ケタ勝利となった。

矢野燿大監督は、先発右腕の健闘を讃える。「西らしく、走者が出ても粘ってくれたし。(打球が)当たった時は心配になったけど。行けるとこまで!というところでね。しっかり5回0点と言うのは最高の出来やったと思う」。早い回から継投に入ったのは、アクシデントも考慮した上の判断だったという。8月24日ヤクルト戦(神宮)から負けなしの5連勝という勝負強さを指揮官は、「1年間安定してローテ守って投げてくれたのも大きいし、オレも大事にしてる部分を体現してくれてるんで」と最大限に持ち上げた。

残りは2試合。甲子園での中日戦に連勝以外は目標に届かない事に変わりない。相手も逆転4位を目指してエース級をぶつけてくる中で、決して簡単な戦いでない事は阪神ナインも重々承知だ。「オレにはそういう風(選手に硬さがある)には見えなかった。オレららしい野球をやってくれたと思う。みんながそういう気持ちで繋げた結果だから、明日もそういう気持ちを繋げてくれたら!」。改めて不退転の決意を示した指揮官が、最後の決戦の舞台へ向かうべく横浜スタジアムを後にした。