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猛虎夏祭！ＢＳ満塁アーチ競演
相手投手陣の乱調と敵失につけ込み序盤から貪欲に得点を重ねた阪神が、今季最多安打最多得点の猛攻を見せ ８カード連続で初戦を白星で飾った。
雨の神宮。東京ヤクルト先発・イノーアに対する阪神は近本・糸井の１・２番。梅野を６番に上げて８番に植田を起用して臨む。初回先頭・近本は遊ゴロ失策で出塁。糸井・中前安打、サンズ・四球で無死満塁とする。イノーアの暴投で先制。大山・遊ゴロの間にもう１点。この後、二死１・３塁から７番 木浪の右前適時安打で加点して１回表に阪神が３点を奪った。
木浪聖也内野手が振り返る。「打ったのはスライダー。得点圏にランナーがいましたし、もう1点取ることが出来れば試合を有利に進められると思ったので、絶対に打つという気持ちで打席に入った」。
２回表 阪神は、１安打２四球で二死満塁となって５番ボーアがカウント3-1からの低め真っ直ぐを捉えライトへ豪快な７号グランドスラムを打ち込み、７対０と大きくリードを奪った。「近本やジェリー（サンズ）、悠輔（大山）がそれぞれ良い仕事をして塁にいてくれたから、みんなと同じように自分も良い仕事をしたいと思っていたよ。感触は十分だったし、良い本塁打だったね」。ジャスティン・ボーア内野手は、７月２本目となる満塁アーチに納得の表情だ。
阪神先発・秋山に挑むヤクルトは、上半身のコンディション不良で登録抹消となった山田哲に代わり２番に塩見、７番セカンドで宮本を配置。８番 西田がマスクを被る。秋山は初回３者凡退で立ち上がるが、２回裏 村上・山崎の長短打から一死２・３塁となって７番 宮本にプロ初本塁打となる右越え１号３ランを浴びて、４点差に詰められた。
ヤクルト２人目・坂本が登板した３回表 先頭・秋山が遊撃内野安打とエスコバーの悪送球で２塁へ進むと、近本のバント安打で無死１・３塁。一死後 ヤクルト・坂本の一塁牽制悪送球で追加点が入り、更に３番サンズの適時安打で、阪神が９対３と突き放す。４回表にも二死満塁からサンズが右翼ポール際へ６号アーチを放り込み、１３対３として試合を決定づけた。阪神の１試合２満塁本塁打は、2010年5月7日対広島（甲子園）の城島・マートン以来１０年振り。「最高の仕事が出来たし、ボーアと揃って満塁本塁打を打つ事が出来るなんて信じられない。とても興奮しているよ！」。ＢＳアベック満塁アーチにジェリー・サンズ外野手のテンションも最高潮だ。
大量リードを奪っても、この夜の猛虎打線は、攻撃の手を緩めない。ヤクルト ３人目・中澤が登場した６回表には、一死満塁からボーア・梅野の連続適時安打。更に７番 木浪の右越え２号３ランが飛び出して、１９対３と差を広げる。梅野隆太郎捕手が、「良い流れに乗って自分も打つ事が出来た。何点あっても良いし、明日にも繋がると思うので・・」と話せば、木浪聖也内野手も、「打ったのはスライダー。思い切って自分のスイングをする事が出来た。しっかり捉えることが出来たし、本塁打になってくれて良かった」と会心の笑みを浮かべる。
９回表には、途中出場・島田の今季初打点となる適時安打で遂に２０点。大台にのせる記録的猛攻の夜となった。大量援護に恵まれた秋山は、終盤７回裏に廣岡、８回裏は塩見にそれぞれ２号ソロ本塁打を浴びるが、最後まで投げ切って２年ぶりの完投勝利。２０対５で阪神がカード初戦を圧勝で飾った。（秋山は113球 ９安打５三振１四球５失点）
ヒーロー インタビューでは、ジャスティン・ボーア内野手が、「雨の中 最後までいてくれてありがとう！」とファンの応援に感謝の言葉を述べている。
今季最多１８安打２０得点の打線には、ヒーロー候補が乱立する。満塁アーチ競演で共に５打点の両外国人は言うに及ばず、木浪は一発を含め４安打４打点。梅野も２安打２打点をマークした。
近本光司外野手は、四球・敵失を含め５出塁５得点と１番打者の役割を果たし、次のように語った。「それが一番良かった。後ろの打者の方々がチャンスで返してくれるので、そういう場面を多く作る事が出来て良かった。記録（１試合５得点は球団タイ）は知らなかったけど、得点はシーズン前から拘って行きたいと言って来た数字なので。今日は自分の仕事をしっかりする事が出来たと思う」。多くの選手がそれぞれの役割を果たした猛虎にとってのナイスゲームだった。
