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佐藤輝の特大弾で先制も後半に暗転

本塁打の出にくいバンテリンドームで相手は左腕エースの大野雄が先発マウンドに上がる。打者にとってはかなり厳しい条件に思えたが、そんなこれまでの常識は規格外のルーキーには通用しない。佐藤輝は2回2死から右中間スタンド中段まで運ぶ先制アーチを描く。

「少し甘く入ってきたところを一発で仕留めることができました。良い投手が相手なので、先制点を取ることができて良かったです」

涼しげに振り返ったが左対左でしかも相手は昨季の沢村賞投手。当たり前のように特大弾を量産する姿は頼もしい限りだ。

援護を受けた先発の西勇はシュートを効果的に使う投球がうまくハマった。ホームベースの3塁寄りを的確に突き芯を外す。初安打を打たれた2回1死1塁では次打者の右打者を1球で内野ゴロの併殺打に打ち取り、長打を浴びて得点圏に走者を背負った3回も落ち着いて後続を断ちホームを踏ませない。打たせて取る投球で5回まで54球で無失点、試合開始から約1時間で5回が終了するスピーディーな投手戦となった。

1-0と僅差ながらリードして後半を迎えたが西勇は6回に1死1、3塁からの犠牲フライで同点とされ、7回は1死1、2塁から適時打を浴び勝ち越し点を奪われてしまう。

1点を追う8回は2死から相手の失策で出塁した近本が盗塁を試みる。思い切ってスタートを切ったが際どいタイミングで判定はアウト。矢野監督のリクエストも実らずチャンスを広げられなかった。その裏は2試合続けて好投していた小野がピンチを招きながらも無失点で切り抜け、1点差のまま9回の攻撃につないだ。

最後の攻撃は2死から大山が安打で出塁すると矢野監督は代走に熊谷を送る。同点の走者を出し、一発が出れば逆転の場面を作ったがサンズは三振に倒れてしまう。1点及ばず3連勝はならなかった。

やはりこの球場ではロースコアの試合が多くなる。敗れはしたがバント処理でマルテがプレーを見せるなど守備陣は無失策だった。明日先発予定の青柳はゴロアウトが持ち味、攻守で援護し勝利をつかみ取りたい。