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インハイ克服。佐藤輝が覚醒の2発

ビジターのDeNA戦なのに球場は東京ドーム。これは東京オリンピックの関係で横浜スタジアムが使えないための措置で、やや不思議な光景だが打者有利であることには変わりない。特に佐藤輝にとってはそうだった。

初回、好調な近本の2塁打と2つの四球で1死満塁。いきなり訪れた先制機に佐藤輝がライトフェンス直撃の適時打を放つ。あわや本塁打という一打でファンを沸かせると、惜しいでは終わらせないのがこの男。3回1死からは強打者の泣きどころ、インハイのストレートをライトスタンドに叩き込んだ。

「厳しいコースだったですけど上手いこと打てました。しっかり肘を抜いて打つことが出来たんで良かったです」

外野手が追うのを諦めるほどの豪快弾で、意外にもこれが東京ドームでの初アーチ。セリーグ本拠地を制覇すると怪物ルーキーのバットはもう止まらない。6回には低めの球を左中間スタンドまで運ぶ。これが今季22号となり球団新人最多本塁打記録に並んだ。

「逆方向への当たりだったのでその点もすごい良かったかなと思います。偉大な方に並べたことは光栄ですし、嬉しく思います」

インハイを突いてもライトスタンドへ。低めに集めても逆方向スタンドへ。後半戦最初の試合、8月13日の広島戦で見せたように状況によっては軽打も出来る。もはや相手バッテリーになす術なし。3安打2本塁打3打点という成績以上に覚醒を予感させる打席内容だった。

6連戦最初の試合は12球団トップの防御率1.79をマークする青柳が先発マウンドに上がった。東京オリンピックでは不慣れなリリーフ登板で本領発揮とはならなかったが本職の先発マウンドでは仕事をこなした。序盤3回は1安打無失点。ゴロアウトが持ち味だが4つの三振を奪った。4回に同点とされるが勝ち越しを許さず、6回までマウンドを守り試合を作った。

佐藤輝の猛打賞と青柳の投球により3-2と1点リードで迎えた終盤戦、打線は8回に梅野と近本が適時打を放ち貴重な3点を加える。リリーフ陣も7回はアルカンタラが、8回は岩崎がピンチを招きながらもが無失点に抑える。9回は1軍に合流したスアレスが締めて逃げ切りに成功。良い形で3連勝を飾った。