- 安藤優也選手引退セレモニーを実施
- 2017年10月11日 更新
10日(火)、今シーズンのペナントレース最終戦となった対中日ドラゴンズ戦終了後の阪神甲子園球場にて、今季限りで現役を引退する安藤優也選手の引退セレモニーを実施しました。
スタンドのファン皆様が見守る中、安藤選手がマウンドに立ち挨拶を行いました。
「先ずはじめに、このような盛大な引退セレモニーを用意してくださいました球団関係者の皆様、チームの皆様、阪神園芸の皆様、本当にありがとうございます。
そして最後まで残ってくださいました阪神ファンの皆様、中日ドラゴンズファンの皆様、最後までありがとうございます。
2017年今季をもちまして、私、安藤優也は現役を引退します。
2002年4月14日、小さい頃から憧れていたこの甲子園で初めて投げたときの感動、興奮は今でも鮮明に覚えています。
プロ初勝利もこの甲子園でした。あれから16年が経ちました。良い思い出、悪い思い出、悔しい思い出、たくさんありますが、今振り返ってみると、あっという間の16年間でした。
阪神に入団して今日まで自分なりに必死に全力で駆け抜けてきました。幼いころから身体が弱く、怪我の多かった自分がまさか40の歳まで現役でいられるとは夢にも思っていませんでした。たいした能力もなく、たいした選手ではありませんでしたが、自分の力をすべて出し切った、そう思っています。
現役生活にほぼ悔いはありません。しかし1つだげ心残りがあります。それは3度も日本シリーズに出場しながら1度も日本一になれませんでした。それが唯一の心残りです。
日本一という名誉、日本一という目標を今ここにいるチームメイト、そして鳴尾浜で一軍を目指して必死に頑張っている後輩達に託して、今日ユニフォームを脱ぎたいと思います。
憧れの甲子園が仕事場となり、その憧れの甲子園で最後、ユニフォームを脱げる私は幸せ者です。
最後に、良いときも悪いときも支えてくれた家族、友人ありがとう。
そしていつも熱い温かい声援で背中を押してくれた阪神ファンの皆様、色んなかたちでサポートしてくれた知人、チームの皆様、この場を借りて感謝御礼を申し上げます。
私の長い野球人生を共に走っていただき、本当にありがとうございました。おかげさまで走り抜くことができました。
阪神タイガースと日本一の阪神ファンが、これからもこの甲子園より野球界を盛り上げていくことを願い、またそれを確信し、感謝の気持ちと共に最後の言葉とさせていただきます。
本日は、本当にありがとうございました!」
挨拶を終えた安藤選手へ、阪神タイガースを代表して福留選手、藤川選手、鳥谷選手、そして2人のお子さんから花束が手渡されました。
その後、選手達がマウンドで安藤選手への感謝の気持ちを込めて胴上げを行い、最後に安藤選手は新井選手とともに試合終了後も残ってくださったファンの皆様に挨拶をしながら場内一周をしました。
セレモニーを終えた後、安藤選手が会見を行いました。
以下、安藤優也選手記者会見コメント
―先ずは16年間の現役生活お疲れ様でした。
ありがとうございました。
―現役最終登板、そして引退セレモニーを終えられた今の心境からお聞かせください。
やっぱり一番は、ほっとしています。
―今日の出番を待つまでの間というのは、これまでのゲームとは違うものがありましたか。
いいえ、いつもと一緒でブルペンでやっぱり緊張していましたね。1年間一軍で投げられていませんでしたが、1年前のことを思い出しましたね。
―1年前とは?
昨年のことですね。昨年ここ(ブルペン)で何回も肩を作ったなという懐かしい光景でした。
―そのブルペンからマウンドに向かうときのファンの大歓声は気になったかと思いますがいかがでしたか。
そうですね、今日は一段と声援が大きくて、自分の気持ちのこもったボールを投げようと思って投げたんですけど、ホームランも打たれて、引退登板でしたが打たれるとやはり悔しいですね。
―その後(気持ちを)切り替えて投げたと思いますが、現役最後のマウンドは新井良太選手のファインプレーで終わりました。
そうですね、良太も最後の日ということで最後、ファインプレーしてくれたというのは嬉しかったです。
―投球開始前、金本監督がマウンドで待っていて、どのような言葉をかけられましたか。
きっちり一人でアウト取れたら、代わろうかということで、もし打たれたら次もいこうかという話をしてくれました。
―マウンドを降りる際には、登場する時よりさらに大きい「安藤コール」がありましたが、それはどんな風にお聞きになりながらベンチに下がりましたか。
もう一言、嬉しかったですね。それ以外の言葉はないですね。
―ベンチに帰ってからTVカメラで表情を拝見した際、涙はなく爽やかな表情をされているように見えましたが、どんな心境でしたか。
プロに入ってなかなか試合で楽しむということが無かったので、今日緊張はしていましたが、最後マウンドを楽しめたのでその笑顔だったと思います。
―挨拶の中で40になるまでやれるとは思っていなかったとおっしゃっていましたが、改めてこの16年間ほぼ一線級で投げられた要因というのは振り返ってどのように感じていますか。
なんですかね。一番はやっぱり変化を恐れずに進化し続けようと思った気持ちですかね。失敗もいろいろしましたけど、向上心を持ってやってきたことが16年間できたのかなと思います。
―ひとつ何か自分の中で忘れられない進化といいますか、上手くいったと思うことは何ですか。
一番上手くいったなということは・・・記憶にないですね。上手くいかなかったことのほうが記憶になります。
上手くいかなかった一番の思い出は、減量したことですかね。自分の思うボールがなかなか投げられなくて失敗でしたね。
―そんな失敗もある中で、常に新しいことをやり続けるんだという原動力は何だったんでしょうか。
怪我もしましたし、でも一番の思いはこの憧れの甲子園で投げたいという強い気持ちだったと思います。
―甲子園という場所はどんな場所でしたか。
本当に野球を始めた頃から、憧れの場所だったので挨拶でも言わせてもらいましたが、そこが仕事場になったのは誇りでした。胴上げされた記憶がないので、今日甲子園で胴上げの気分が味わえてよかったです。
―ご子息たちから花束贈呈を受け取られましたが、何かやり取りはありましたか。
子供たちは緊張した表情をしていましたね。最後打たれはしましたが、自分の投げている姿を見せられてよかったなと思います。
―チームメイトはこれからCSへ挑みます。安藤選手からエールをお願いします。
まだ日本一のチャンスはあるので、今年日本一になれたら現役中に日本一になれたと言えるので、是非日本一になってほしいですね。
―タイガースファンへあらためて16年間の思いをお願いします。
本当に日本一の、いや、世界一のファンだと思っています。16年間いつも背中を押し続けてくれたので、本当に感謝しかありません。
本当にありがとうございました!