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2022年シーズン終了報告ならびに矢野燿大監督退団会見
2022年10月15日 更新

15日(土)、阪神電鉄本社(大阪市)にて、矢野燿大監督が藤原崇起取締役会長兼オーナーへシーズン終了を報告し、その後、退団会見を行いました。

藤原代表取締役会長兼オーナーより

本日は矢野監督より、4年間指揮をとって頂きました報告をしていただきました。私からは本当に今年も長いシーズンお疲れ様でしたという事と、現役から20年に渡り阪神タイガースに多大なる貢献をしていただいた事に対しまして感謝の思いを伝えました。矢野監督は今季限りでの退任となりますが、この4年間「超積極的」「最後まで諦めない」という方針を掲げて頂きまして、若い選手が多いチームを鼓舞し全員で戦うアグレッシブなタイガース野球を作り上げて頂きました。残念ながら優勝は叶いませんでしたけれど、この結果はしっかりと受け止め、来季こそチャンピオンフラッグを我々の手にという事でフロントも一丸となって取り組んでいきたいと思います。今季もチームの成績が良いとき悪いとき、これに関わらず本当にたくさんのタイガースファンの皆さんが球場に足を運んでくださいました。またテレビ・ラジオを通じても本当に熱い声援を送っていただきました。この場をお借りして、ファンの皆様にも深く感謝いたします。

矢野燿大監督

―ユニフォームを脱がれて今のお気持ちをお聞かせください。

僕が目指す野球というのは、選手にも良くて、ファンの方にも良くて、夢と理想を語りながらやってきた野球というのは貫くことができた、やり切ったという思いは持っています。しかしながら、リーグ優勝も日本一もできなかったという悔しさも同時に持っています。チーム全体で一丸となって、強いチームは作れませんでしたが、全員で「いいチーム」は作れたかなと思います。

―昨日の試合終了の瞬間はどのような思いが巡っていましたか。

勝てるチャンスが十分にあった試合でしたので悔しかったですし、この選手たちとまだ野球やりたいなと正直な気持ちがありましたし、終わってしまった時は残念といいますか、呆気ないという気持ちはありました。

―神宮球場では、スタンドから矢野監督への惜別のエールも送られてました。

感謝しかないですね。タイガースファンの方も悔しい思いをしている中で、あのような形で送り出していただいて、応援団の方々が「俺たちの野球を貫いた」という横断幕を出していただいたのもハッキリ見えましたし、本当に感謝しかないです。この4年間やってきたものが選手たちにはもちろん、タイガースファンの皆さんにも届けられたものがあるのかなという事を実感させてもらえたメッセージでしたし、感激しました。

―4年前の就任会見では「超積極的」「諦めない」「ファンを喜ばせる」というスローガンがありました。この4年間を振り返っていかがですか。

ファンの人を喜ばせるというところではやはり勝つことが一番大事な部分でありますし、リーグ優勝・日本一ができていないという点では喜ばすというのができなかった部分もあったと思いますが、僕は監督就任した時に今のプロ野球の魅力には勝つことが一番喜んでもらえること、そこにプラスアルファの何かが必要だと思っていました。感動や気持ちの共有、魅力が伝えられると思っていましたし、勝つことにもこだわるけれど、そこのプラスアルファを思い描いてやってきたので、そういうところを全員で作り上げてこれたかなと思います。

―この一年に関してはどのような思いで過ごされたのでしょうか。

退任を発表するという決断も自分の中ですごく悩んで、でも選手たちには嘘をつきたくない、正直でありたいという思いもあって、僕にとっても挑戦だったので、その時はチームにとっても僕にとっても良いという選択の中で発表したのですが、結果的にそれが開幕の躓きにもなったので、迷惑をかけてしまったという思いもあります。ただ挑戦にはうまくいかない事もいっぱいあるので、それを選手たちが変えてくれたところもあり、最後に3位になってくれたことも本当に助けてもらいましたし、4年間伝えてきたことが、みんなで作り上げてきたチームが粘りをみせてくれたのかなと。自分の中では今日は帰ってこないと思いながら、一日一日過ごしてきた今年でした。いろいろな思いはありますが、やりきりました。

―4年間でチームに残せたと思うものは。

やはりファンの人に喜んでもらえるチームというのは、「生え抜き」の中心選手にいるチームだと思いますし、僕が受け持たせてもらった時は、ベテラン選手も多い中で入れ替えというのもあり、その時の選手には感謝の気持ちでいっぱいですし、やりたくてやっていることではないですが、チームを作るということではそういう事もやっていかないといけないと。その結果タイガースファンの皆さんには、今可能性のある選手たちがいるというのを実感してもらえたと思います。来年以降本当に楽しみですし、同じ思いで戦ってくれたチームを作れたというのは感謝しかないです。

―20年在籍された阪神タイガースとは。

僕の人生を変えていただいたのも阪神タイガースですし、まさか監督をやらせてもらえるとは思ってもみなかった部分もありますが、めちゃめちゃ苦しかったですし、うまくいかないことも沢山ありましたが、その分勝った喜びやタイガースでしか味わえない日本一の応援をしていただける球団というのはオンリーワンだと思うので、そのようなチームに一緒にやらせてもらえたというのは感謝ですし、これからもっともっと喜んでもらえる球団になっていくと思いますので、僕も応援していきたいです。

―ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

勝つ喜び、優勝という喜びは皆さんに届けられませんでしたが、タイガースの選手たちの魅力というのは伝わったところはあったのではと思います。コロナ禍という難しい時でしたが、その中でも今シーズンも12球団一多くの皆さんに来ていただいたり、熱い日本一の応援をしていただけたことは本当にありがたかったです。僕も来年からタイガースファンとして応援をしっかりしていきながら、僕自身もまた挑戦していくような人生を歩んでいきたいと思います。4年間、本当にありがとうございました。