最終盤で感じた手応え<後編>
これまでのキャリアの中でも、ベンチで過ごすことが多かった2019年。「いろんなことを考えながら試合を見ていた」と、試合に出ていない時間も上達の糧にし、シーズン最終盤に光を放つだけの力を蓄えた。「試してみたいこともできました」と、真のブレイクを目指すためのヒントも得たという。あとは、継続して力を示すことができるかが、背番号2が中心選手になるためのキーワードだ。
課題は少なくない。
「今年は守備でもだいぶピッチャーに迷惑をかけてしまいました。そこももちろん、立てなおさなくてはいけないと思っています。それに加えて、しっかり守ってめちゃくちゃ守備が上手くなっても、打たないと試合には出られないと思う。なので、やっぱりしっかり打っていかないとだめかなって思っています。一番の課題はバッティングかなと思います」
時が経つのは早い。青森県・光星学院高校の中心選手として甲子園を湧かせた男が縦縞のユニフォームに袖を通し、今年で7年。来季はもう8年目のシーズンを迎えることになる。高校では中心打者、スラッガーとして鳴らした男が、そのまま強打者としてやっていけるほど、プロの世界は甘くない。悩み、苦しみ、プロで生きていくために、明確化してきた“いまの自分”を、北條自身はこう分析している。
「相手が嫌がることをやるというのが僕のタイプかなと思っています。そういうプレーをしっかりみせられるよう、来季は1年間やっていきたいと思っています」
相手に嫌がられる存在になる―。
小技や状況判断のうまさ、勝負どころでの一打など、味方からすれば、なにかやってくれるだろうと思わせる男になることが目標だ。
最終盤で感じた手応えショートver<後編>終了。
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