安心してもらえる存在になる<後編>
振り返るは春先のこと。キャンプ中の実戦から快調にゼロを重ねてきた秋山の姿を、前半の原稿では“完全復活をアピール”と評したが、実は本調子ではなかったと本人は話していた。
「正直に言うと、まっすぐの感覚もよくないし、スピード的にもまだ足りないなと感じていたんです。あのまま開幕となっていたら、なんとか凌ぐようなピッチングしかできていなかったと思います」
全くもって、満足いくものではなかった。最終的には開幕してから今季2試合目の登板となった7月1日の中日戦(ナゴヤドーム)の途中まで、今年の実戦では37回2/3無失点という数字を残すことになるが、数字ほど満足いくものではなかったのだ。
ただ、「いつもと違う形でピッチングできているという捉え方はできたかもしれない」と、自身として納得のいかない中でも結果を残せたことは、プラスだった。プロ11年目、年齢と経験を重ねてきて得た、新たな技術と捉えることもできるだろう。
7月14日の甲子園。今季3度目の先発マウンドはまさに、そんな春からの成長を感じる投球だった。
安心してもらえる存在になるショートver<後編> 終了。
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