期待に応えられるように<前編>
誰もが認めるポテンシャルの持ち主だ。確かな実績は“まだ”ない。ただ、過去2年の登板の中で確かにみせてきた片鱗が、彼の近い将来の活躍を確信に近いものだと感じさせてきた。今季、ここまでの戦いでその思いはさらに強くなってきた。背番号29、髙橋遥人。プロ3年目左腕の存在感が日に日に増している。
「期待をしてもらっているというのは感じています。だからその分、ケガで戦列を離れていたときは申し訳ないと思っていましたし、実力も一軍でバンバン抑えられるというレベルではなかったので、ケガをしている間にしっかり鳴尾浜で力をつけようと思ってやってきました。その結果が少しは出せているのかなと思います」
新型コロナウイルスの影響で6月の開幕となった2020年シーズン。例年より3ヶ月程度遅い開幕となったが、髙橋は左肩のコンディション不良もあって出遅れていた。今季初登板は8月6日の巨人戦。焦らず、じっくり時間をかけながら故障を癒すとともに、しっかりと戦える身体を作ってきた。
「良いピッチングができたかなと思います。ボールの強さと、変化球の高さとキレも良かったので、三振も多くとれました。ピンチの場面を三振で切り抜けられたのが一番でした」
首位を走る巨人打線を相手に、7回11奪三振。許した安打はわずかに3本。5回に迎えた1死1、3塁のこの日唯一といってよいピンチの場面を連続三振で斬ってとった姿は、風格すら感じさせるものだった。
期待に応えられるようにショートver<前編> 終了。
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