必ず、今年の経験を糧に<前編>
短いようで長かった、阪神の今年の戦いが終わった。120試合を戦い、積み上げた白星は60を数える。優勝を飾った巨人は67個だ。この7つの差を埋め、さらには超えるため、これから来季への準備が進んでいくことになる。
やらなくてはいけないことは少なくない。選手それぞれがそのような思いを胸にオフを過ごす。彼もまた一緒だ。背番号19、藤浪晋太郎。彼にとっても、大事な、大事なオフになる。
「感覚的な話になるのですが、自分のなかのバランスだったり、タイミングだったりというものは日々の投球の中でいいなって思えるものが出てきました。この2、3年はずっとどこか違うなあと手探りでやっていたんです。手探りでやる中で、いいと思う部分が出ても次の日には感覚が変わっていて…というようなことの繰り返しだったんですけど、今年に関してはある程度継続できている感じがありました。良いシーズンではなかったですけど、ここ2、3年とはまたちょっと違うかなという感覚が自分の中にはあります。」
昨シーズンはわずか1試合の登板に終わった藤浪。客観的に見ても、どこか悩ましげにマウンドに上がっている様子が近年は伺えた。だが、今年はその壁を乗り越えた感じがあったのは多くのファンが感じ取っていたことだろう。本人も「いい兆しが出てきた」と手応えを口にする。
登板24試合。その内、13試合はリリーフとしてマウンドに上がった。短いイニングを投げることで、細かいことを考えずに登板を重ねられたことがよかったとするような声が多いが、本人の感想は“逆”だ。
必ず、今年の経験を糧にショートver<前編> 終了。
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