憧れの背中を追いかけて<前編>
多くの若手が躍動している2021年シーズンの中で、ブルペンでもひとり、着実に成長を遂げている男がいる。背番号66・小川一平。一昨年のドラフト6位指名でタイガースの一員になった右腕は、2年目の今季、ここまでに16試合に登板(10月11日現在)。昨年はひとつも記録のなかったホールドを2つ、さらにはプロ初勝利も獲得して、防御率2点台の好成績でブルペンの一角を担っている。
10月10日、神宮球場での東京ヤクルト戦。1点差、無死満塁の大ピンチでマウンドを託された。一打逆転の場面でも、表情は崩さない。5番・オスナをカットボールで犠牲フライに抑えると、続く・中村を直球で空振り三振に切って取り、最後はサンタナをショートゴロ。大ピンチを最少失点に抑え望みをつないだ姿は、堂々たるものだった。
「なにかを変えなくてはいけない」との覚悟で臨んだシーズンだと本人は話す。ルーキーイヤーの昨年は、開幕一軍の座を射止め、21試合に登板。9月に入ってからは7試合連続無失点を記録するなど、実力の片鱗を見せたが、本人曰く悔しい思いしかなかったシーズンだったという。
「オープン戦は自分的にも調子が良かったのですが、シーズンがはじまってから相手打者の集中力の違いだとか、点差とかの状況が変わってくる中でどういった投球するべきなのかとか、プロの難しさをいろいろと学びました。振り返ってみて、全然チームの力になれなかったと思って悔しかったです」
2年目の今季は、自らの強みをより強化するべくフォームのマイナーチェンジにトライ。結果的にいまは「1年目の投げ方に近いものになった」というが、さまざまな挑戦をする中で…
憧れの背中を追いかけてショートver<前編>終了。
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