すべてを今年に活かして<前編>
例年よりもシーズンが後ろに長かったことから、いつも以上にあっという間にオフは過ぎ去り、早くも新たな戦いが幕を開けた。球春到来。今年も沖縄・宜野座にて、春季キャンプがスタートしている。
2022年に注目している選手は?と聞かれたとき、多くのタイガースファンはきっと、彼の名前を挙げることだろう。昨年、チームに大きな光をもたらせた男─。そう、背番号8・佐藤輝明だ。2年目を迎える男は、新しいシーズンに向け、昨年以上に闘志をメラメラと燃やしている。
「オフは実家でゆっくり過ごさせてもらいました。リフレッシュはできましたね」
“色々”あった1年だった。前半戦、ドラフト1位指名のゴールデンルーキーの名に恥じない大活躍を見せた。だが─後半戦は苦しんだ。59打席連続無安打という不名誉な記録も残ってしまうなど、1シーズンで明と暗のどちらも味わうことになった。
体力不足や技術的な課題など、さまざまな議論が飛び交っていたが、“当事者”である佐藤は、こう振り返る。
「自分で昨年という一年を振り返ってみても、後半失速してしまったというところについては、一番の失敗だと思っています。ただ、マイナスな面だけを振り返ろうとは思いません。失敗から学ばなくてはいけないと思っています。昨年、ああいった時期を“経験”できたので、今シーズンに活かしたいと思っています」
頭の整理はできている。今年は昨年の悔しさを糧にして、成長した姿を見せつける覚悟だ。
すべてを今年に活かしてショートver<前編>終了。
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