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泣くな 岩貞! まさかの終幕

先発左腕と中軸打者の活躍で九分九厘勝利を手中にした筈の猛虎だったが、最終回に手痛いミスが出て悪夢の3タテを喰らった。

広島・戸田と阪神・岩貞の若手左腕対決となった日曜のデーゲーム。阪神は福留・ゴメスと3・4番を入れ替え8番レフトに新井良を据えて臨む。

神がかり的な白星を並べ8連勝中の広島は2回裏  好調6番 新井貴がレフトへ 5号ソロ本塁打を打ち込み、3連戦全てで先取点を奪う。

阪神は直後の3回表、二死1・2塁から変化球を捉えた3番 福留の左前適時安打で同点。続くゴメスが追い込まれながらも右前へ適時安打を放ち、勝ち越しに成功する。 

「打ったのはスライダー。イイところを抜けてくれた」。日米通算2001本目が同点打となった福留孝介外野手が振り返れば、勝ち越し打のマウロ・ゴメス内野手も「打ったのはツーシーム。ここ最近チャンスで打てていなかったし、久々に走者を返す打撃が出来てよかったよ!」と声を弾ませた。
 
広島は2巡目に逆転を許した戸田を早々と諦め、その裏に代打を送り、4回からは2人目・九里に託す。阪神・岩貞は良く腕を振って最速148km/hの直球など気合いの籠った力強いボールを投げ込んでいたが、5回裏 突如制球を乱し一死から3連続四球で満塁のピンチを招き1番 田中の中犠飛で追いつかれた。しかし、続く菊池が放ったセンター前あわや!の打球を中谷がこの試合2度目のダイビング捕球。辛うじて味方の超美技で逆転は免れる。

5回に崩れかけた岩貞だったが、この後 また立ち直って勢いのある広島打線を7回まで僅か1安打に抑え込む。

8回表  阪神は、一死から西岡が粘って右前安打で出塁。3番 福留は、広島4人目・一岡の直球を左中間へ運ぶ適時二塁打を放ち、3対2と勝ち越しに成功した。更にゴメス左前安打で一死1・3塁としたが、5番 原口は二ゴロ併殺に打ち取られる。

1点リードで9回裏のマウンドに上がった岩貞は先頭3番 丸にチーム2安打目の左前安打、一死後 鈴木にも中前安打を許し、新井は敬遠。満塁で7番 下水流にはフルカウントから真ん中直球で見逃し三振に斬る。続く會澤は追い込むが、最後はチェンジアップを合わされて三遊間を破る適時安打を浴びる。完投勝利寸前まで行きながら、岩貞は降板して涙を呑んだ。

阪神はドリスを救援に送るが、代打・松山の左中間へ上がった飛球をレフト俊介とセンター中谷が激突して落球。サヨナラ失策(記録は中谷)と言う最悪の結末となり、俊介(藤川俊介)外野手が担架で退場した。4対3で阪神は同一カード3連戦3連敗。本拠地で神がかり的な試合が続くカープは、1998年以来18年振りの9連勝となった。      

「運が無かったとしか言いようがない。だけどこれも野球だから」。ラファエル・ドリス投手がしょんぼりと肩を落とす。

「踏ん張り切れず、自分自身に悔しい。相手に行けるぞ!と(9回裏は反撃ムードを)漂わせてしまった。一つも二つも成長しないといけない。チームに申し訳ない」 。8回2/3(124球)4安打6三振5四球4失点で敗戦投手となった岩貞祐太投手は試合後も暫く悄然とベンチに立ち尽くしていた。

何とも後味の悪い終わり方となったが、動けない担架上の俊介を心配しながらダグアウトへ戻る中谷に福留が肩に手をかけて寄り添う姿が印象に残る。

「誰にでもこんな事はある。このプレーで小さくなってしまってはいけない。反省すべきは反省して。これも一つの勉強」。中谷にこのようなアドバイスを送ったと言う福留孝介外野手は、「一つ一つ勉強して行かないといけない。自分たちで見直してやって行くしかないでしょう」と話した。

高代延博ヘッドコーチが重い口を開く。 「(搬送された俊介だが)意識はあった。(ああいうミスが)あってはいけないけど、お互い必死に声を出してる訳だからね」。
しょげかえる中谷将大外野手は、「ぶつかっても捕らないといけない。・・・・頑張ります」と話すのがやっとだった。

中村 豊外野守備コーチは言う。「出来れば、ぶつかってでもどちらかが捕って欲しかったけどね。中谷も自分で捕れると思っているし、俊介は守備固め(と言う強い意識があった)。声もお互い出てたし(中谷は)それまで良いプレーもしていた。(バッテリーやチームには申し訳ないけど)ボクらは責めるつもりはない」。

若さ・未熟と言ってしまえばそれまでだが、大歓声の中  必死で捕りに行ったプレー。「言いようがないネ。ただ、お見合いした訳でなく、ぶつかってでも捕ろうとした結果。高いフライで・・中谷は若さもあるし、俊介も(捕る前にセンターの動きを)見ないといけなかったかな?」と金本知憲監督も、このミスに関して強く咎めるコメントはしていない。

首位広島が遠のく10・5差。あまりにも痛いショックの3連敗には違いないが、超変革を掲げるチームには避けて通れない道だったのかもしれない。大きな痛みを伴う敗戦が、真の猛虎へ生まれ変わる良薬になる事を祈るばかりである。