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藤浪 暗転!突如の乱調

前半 完璧な内容だった若き右腕が一つのミスから突如崩れ、猛虎が完敗を喫した。

中日先発左腕・ジョーダンに対する阪神は初回 鳥谷の右前安打と福留・ゴメスの連続四球で二死満塁とするが、6番 北條が空振り三振に倒れる。3回途中には何らかの違和感を訴えて一時ベンチに戻ったジョーダンだが、投球には影響なくその後も安定した投球で猛虎打線を抑えて行く。尻上がりの内容で、中盤まで阪神は初回 鳥谷の1安打だけに抑えられる。

阪神先発・藤浪は抜群な立ち上がりを見せ、凡打の山を築く。フォームにムダな力みが感じられず、手元で伸びる直球が冴えて4回まで一人の走者も許さない。しかし、5回裏二死 6番 福田にショート鳥谷のグラブを弾く左前安打を許すと、続く堂上にはライト線二塁打を浴びて2・3塁。桂は敬遠気味に歩かせ二死満塁となる。打者は投手のジョーダンだったが、追い込んでからの高め直球を三塁線へ長打性の際どい打球を放たれ肝を冷やす。僅かに切れてファールとなり、結局ジョーダンを見逃し三振に取った。

6回裏 中日は先頭1番 亀澤の高いバウンドを藤浪が取り損ねる失策からピンチを招く。大島とのエンドランが決まり、右前安打で無死1・3塁とされ3番平田にも右前適時安打を浴びて、遂に先取点を奪われた。続くビシエドにはフルカウントからの変化球を打たれレフトスタンド最前列へ弾丸ライナーの17号3ランを叩き込まれて、決定的な4点差をつけられてしまう。

5回二死まで走者を許さない完璧な投球をしながら、自らのミスをきっかけに突然乱れた藤浪晋太郎投手は、6回(106球)7安打8三振1四球4失点(自責3)で降板する。「どうしても1点をやれない!と思って、力みにつながってしまった。余計なことを考えてしまった」と話して、肩を落としていた。

大きな援護を貰ったジョーダンは終盤に入っても直球主体の投球が冴えて、阪神打線をパワーで押し込んで行った。

中日は7回裏にも阪神2人目・伊藤和を攻めて4番ビシエドの右中間適時二塁打と暴投で更に2点を追加して試合を決める。

8回表  阪神は一死1・3塁から漸く鳥谷・内野ゴロ併殺崩れの間に1点を返し完封を免れる。
ジョーダンに代わった又吉から代打の代打・伊藤隼が、右越え適時三塁打を放ち6対2と追い上げた。しかし、その裏 伊藤和が鳥谷の今季10個目の失策(悪送球)絡みで更に1点を失い、阪神は最後までスッキリしない。

9回表も中日・祖父江の前にあっさり三人で攻撃を終わり、7対2と敗れた。終盤に反撃したものの僅か3安打と重症の打線がまたも振るわず完敗。負け越し数(いわゆる借金)は今季最多で4季振りの8となった。ジョーダンは7回2/3(125球)2安打7三振4四死球 2失点の内容で今季5勝目を飾っている。
             
「(藤浪は)自分が蒔いたミス。もったいなかった。カウント悪くしてのエンドランだから・・・。変身したと思ったけど、あのワンプレーやね」。連夜に渡る覇気の無さに金本知憲監督の口も重い。「どうなんやろね?何なんやろ?昨日はワンバウンド振って、今日は・・・(打線が)145キロを超えたら打てないと言う。・・・(それでも8回は代打の代打)ハヤタがよく打った。あそこで諦めるわけにはいかないから」・・・怒りをかみ殺すような普段に比べると小さな声で振り返る姿が、少し殺気立っているように見えた。