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信頼は揺るがない
オリックスの粘りで前夜に続き接戦となったが、阪神は盤石な継投で何とか僅差を守り切った。
オリックス先発・ディクソンに挑む阪神は1番 糸井を指名打者で起用。8番ショートには5月25日巨人戦(甲子園)以来のスタメンとなる北條が名を連ねる。
阪神先発・メッセンジャーは初回 簡単に二死を取ってから安達のヒットとロメロ・四球で1・2塁のピンチを招き、5番 小谷野の三遊間突破 左前適時安打で先取点を許す。
2回表 阪神は福留・四球の後、原口の右前安打で無死1・3塁とディクソンを攻めつける。6番 鳥谷はフルカウントから遊ゴロ併殺打に倒れるが、その間に走者・福留が同点のホームを踏んでいる。ディクソンは序盤 真っ直ぐ中心で特徴的なナックルカーブは控え目だったが、中盤以降は変化球を有効に使って目先を変えて来ていた。
すぐに追いついて貰ったメッセンジャーだが、その裏 先頭8番 武田の投ゴロで送球を受けたファースト原口が捕球出来ない失策で又も走者を背負ってリズムに乗っていけない。更に四球で二死1・2塁となるが、ここは2番 西野を何とか三直に打ち取った。球数を使い、2回で早くも58球を費やす。立ち上がりはカウント負けする状況が目立ち、西野に再三粘られるなど空振りを取れずに苦労していた。
両投手が立ち直り1対1で迎えた5回表。阪神は、一死から鳥谷が左中間二塁打を放ちチャンスを作る。ディクソンの暴投で3塁へ進むと、鳥谷は7番 中谷の中前適時安打で生還する。「打ったのはカーブ。鳥谷さんがチャンスを作ってくれたので、外野フライでも一点という気持ちで、前に飛ばす事だけを考えて打ちに行った。緩いボールを我慢して打ち返す事が出来た」。中谷将大外野手が、大事な場面で勝負強さを示して笑顔を見せる。
リードを貰ったメッセンジャーは、その裏 二死から安達・四球とロメロの中前安打で1・3塁とされて先制打の小谷野を迎えるが、149km/h 真っ直ぐで空振り三振に斬った。メッセンジャーは5回で106球と大台に乗っている。
6回表 阪神は先頭1番 糸井が四球を選び、上本の犠打などで二死3塁となる。ディクソンも100球を超えたところで4番 福留は25打席振りのヒットとなる中前適時安打を放ち、3点目を奪った。ディクソンは、ここで交代。5回2/3(103球)を投げて4安打 3三振 2四球3失点だった。
「打ったのはスライダー。追加点の欲しい場面だったし、みんなが形を作ってくれて回って来た打席だったので、後ろに繋ぐ事、走者を返す事だけ考えて打った」福留孝介外野手。久しぶりに出たタイムリー談話である。
その裏、メッセンジャーは中島の右翼ポール際の打球をフェンスにぶつかりながら好捕した中谷の超美技などで二死を取るが、8番 武田の左中間二塁打に続き代打・モレルにも左中間を破られ適時二塁打を浴び1点差とされた。メッセンジャーは5回2/3(124球)6安打3三振3四球2失点で、桑原にマウンドを譲っている。
メッセンジャーが振り返る。「立ち上がりからボールが高く、コントロールすることに我慢する一日だった。ファールで粘られ、球数も多くなって、6回は自分のコントロールミスで甘くなったところを打たれてしまった。守備のビックプレーにも救われたけど、良いリズムが作れない中、野手の皆さんには感謝している」。
終盤は、両チーム自慢の救援陣が力を発揮する。オリックスは6回途中からヘルメン〜近藤〜黒木。9回表は守護神・平野を投入する。この回先頭・福留が四球を選ぶと原口は3バントを決めて一死2塁。鳥谷は敬遠気味に歩いて1・2塁となるが、期待の中谷・北條が抑えられた。
阪神も6回のピンチを凌いだ桑原が7回まで投げて、マテオ〜ドリスと繋ぐ。前夜打たれた桑原とマテオは完璧な投球でオリックス打線を封じ、9回ドリスも一死から四球の走者を出しただけで後続を力で押さえ込み、阪神が3対2で逃げ切った。メッセンジャーは7勝目。ドリスは19セーブをマークしている。
「フェンスが近くて怖かったけど、何とか捕れて良かったです」。勝ち越し打の中谷将大外野手がヒーローインタビューで、6回の超美技について振り返った。次は故郷・福岡でのソフトバンク戦だが、「生まれ育った場所なので1つでも打って恩返し!と言うか?憎まれ役になるよう」ヒールとして活躍すると宣言。スマイルで締め括っている。
「(メッセンジャーは)ちょっとしたバランスの問題だと思うけど、ちょっと引っ掛けたようなのがあったから。経験ある投手だし、自分で見つけて修正して行って欲しい」。試合後、金本知憲監督は立ち上がり不調だったエースに言及した。「(中谷の勝ち越し打は)大きいよね。だいたい(空振りして)クルッと回る事が多いし・・。最後は詰まったけど(9回表の中飛は、平野に)追い込まれた中での真っ直ぐをあそこまで(飛ばした打撃に)成長が窺える。(25打席振りに打った福留)コウスケに一番ホッとした。糸井もだけど(そういうスランプは年に一回くらいはあるものだが)やっぱり心配は心配するわね。(お膳立てした上本の送りバントは)あれを一発でパッと決めてくれたから流れも良くなるし。1球目に決めてくれたのが大きい」。
「信頼は変わらない。揺るぎないデスね!」。前夜救援失敗のリベンジを果たした桑原・マテオらリリーフ陣に対する指揮官の思いは不動である。 交流戦は、ちょうど半分を終えて3カード全て勝ち越しだが、「苦手な交流戦からすれば良かったけど、これから(パの)上位と当たるので、明日からまた頑張って来ます」と話して、指揮官はソフトバンクと対戦する次のヤフオクドームへと気持ちを切り替えていた。