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4点差を跳ね返し逆転勝利


甲子園での白星は6月10日のロッテ戦以来。久々に聞いた六甲おろしに金本監督は「やっと来てくれたファンを喜ばせることが出来て、ホッとしてます」と安堵の表情。その試合内容はハラハラの連続だった。

2回に先制を許した先発・藤浪は3回にも失点を重ね、序盤で4点のリードを許してしまう。どちらの回も四球が絡んでの失点だっただけに流れは相手に傾いたかと思われたが、梅野の一振りが甲子園の空気を変えた。

4回1死からナバーロが広角にライナーを打ち分ける巧打者らしく左中間へ2塁打を放ち、さらに大山の四球でチャンスを拡大。走者をためて梅野が左中間に3点本塁打を叩き込む。「今シーズン1番か2番かぐらいの当たりでした」という今季第4号アーチで1点差に迫った。

3回終了時点で60球を超える球数を投げ込んでいた藤浪も女房役のアシストを受け、4回と5回は無安打投球。6回に2つの四球を与えたところでマウンドを降りたが後続を能見がきっちり抑える。ベテラン左腕が「いろんなこと想定しながらだったので、まぁ良かったです」とクールに仕事をこなすとその裏には、無死3塁からナバーロがレフトへ犠牲フライを放ち試合を振り出しに戻した。

劣勢の序盤から盛り返し流れを引き寄せると、8回2死1塁の場面で1走・俊介が盗塁を決める。走者が得点圏に進んだことで中日外野陣の守備位置が変わり、大山の打球は浅めに守っていたライト後方に落ちる。もちろん、俊介は2塁から悠々勝ち越しの生還。ついに4点差を跳ね返し逆転に成功、大山は3塁に到達した。さらに2死3塁から梅野はセカンドへの適時内野安打、打ち取られた当たりだったが執念のヘッドスライディングで6点目をもぎ取った。

最後は守護神・ドリスが1点を失い、尚も2死2、3塁と一打逆転のピンチを招いたがあと1本は許さず1点差で勝利。単独2位の座を守り、オールスターまでの借金返済はもちろん貯金生活突入の現実味も帯びてきた。